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By The Light Of The Silvery Moon

  • 作曲: EDWARDS GUS
#洋楽ポップス#スタンダードジャズ#映画音楽
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By The Light Of The Silvery Moon - 楽譜サンプル

By The Light Of The Silvery Moon|歌詞の意味と歴史

基本情報

1909年に発表されたポピュラー・ソング。作曲はGus Edwards、作詞はEdward Madden。ティン・パン・アレー黄金期を代表する恋愛歌で、家庭のリビングで歌われることを前提に書かれた、ヴァースとリフレインから成る古典的な構成が特徴。後年は映画やテレビで広く知られるスタンダードとなった。

歌詞のテーマと意味

月明かりの下で恋人と寄り添い、将来の結婚や温かな家庭を夢見るという、素朴でロマンティックな内容。時代色を帯びた表現が多く、当時の求愛作法やユーモアがにじむ。英語の口語表現である“spoon”は「いちゃつく」「甘く寄り添う」といった意味で、軽やかなメロディと相まって、無邪気な恋の高揚感を伝える。露骨な情熱ではなく、清楚な甘さが魅力だ。

歴史的背景

ニューヨークのティン・パン・アレーは、楽譜販売とヴォードヴィルの舞台を通じてヒットを生む産業。ラジオ普及前、家庭での合唱・ピアノ演奏が娯楽の中心だった。本作はそうした文脈で人気を博し、第一次世界大戦前夜のアメリカが好んだ心温まる恋愛観を体現している。簡潔で覚えやすい旋律は、素人歌唱にも適し、長く歌い継がれる素地を作った。

有名な演奏・映画での使用

初期録音ではAda JonesとBilly Murrayによる1910年の盤が広く知られる。1953年にはDoris DayとGordon MacRae主演の同名映画が公開され、主題歌として再評価を獲得。のちにLittle Richardが50年代末にロックンロール風にカバーし、時代ごとの解釈に耐える普遍性を示した。以降、合唱団やバーバーショップ・スタイルでも定番として親しまれている。

現代における評価と影響

ノスタルジアを喚起する月夜のイメージは、コンサートのアンコールやコミュニティの合唱曲として今も有効。米国では著作権が消滅しパブリックドメインとなっているため、教育現場や劇場での編曲・上演が容易で、レパートリーとしての生命力を保っている。映像作品でも、古き良きアメリカ像を想起させる楽曲として引用され続ける。

まとめ

By The Light Of The Silvery Moonは、端正なメロディと純真な恋の情景で時代を超えて愛される名曲。ティン・パン・アレーの作法を伝える教材であり、映画を通じた再発見や多様なカバーが価値を更新してきた。初心者にも歌いやすく、編成を問わず映えるため、今後もスタンダードとして生き続けるだろう。