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O Little Town Of Bethlehem

  • 作曲: REDNER LEWIS H,TRADITIONAL
#クリスマス
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O Little Town Of Bethlehem - 楽譜サンプル

O Little Town Of Bethlehem|歌詞の意味と歴史

基本情報

「O Little Town Of Bethlehem」は、米国の聖公会司祭フィリップス・ブルックスの詞(1868)に、ルイス・H・レドナーが作曲したクリスマス・キャロル。米国ではレドナーの旋律“St. Louis”が広く歌われ、英国圏では伝承旋律“Forest Green”をラルフ・ヴォーン・ウィリアムズが編曲した版(1906)が定着している。教会礼拝や合唱で頻繁に歌われ、数多くの録音が存在する。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、静かなベツレヘムの夜に降り立つ救いの出来事を、町のたたずまいと人々の心に差す“光”のイメージで描く。華やぎではなく、へりくだりと希望、闇に対する小さな光の勝利を主題とし、聴き手各人の心にキリストが宿ることを祈る構造を持つ。宗教的メッセージを持ちながらも、平安や思いやりといった普遍的価値への共感を呼ぶ点が、長く愛される理由である。

歴史的背景

ブルックスは1865年、聖地訪問で実際にベツレヘムに立ち寄った体験をもとに詩を着想し、フィラデルフィアの教会での子ども礼拝のために詞を書いた。オルガニストのレドナーは短期間で旋律“St. Louis”を整え、1868年のクリスマスに初演。のちに『イングリッシュ・ヒムナル』(1906)でヴォーン・ウィリアムズが“Forest Green”版を採用し、曲は大西洋を越えて二つの主要旋律で定着した。

有名な演奏・映画での使用

録音は合唱からポップスまで幅広い。キングズ・カレッジ合唱団の澄明な合唱は代表的で、エルヴィス・プレスリーやビング・クロスビーもアルバムで取り上げた。編曲は四声合唱、ブラス、オルガン独奏など多岐にわたり、季節のコンサートでの定番曲である。映画での顕著な使用については情報不明だが、テレビ特番や教会のキャロル・サービスでは頻繁に演奏される。

現代における評価と影響

本曲は、米英で旋律が異なるというユニークな受容史を持ち、編曲者や歌い手が解釈を広げやすい。静謐さを保った内省的な表現から、ゴスペル的高揚感を伴うバージョンまで共存し、学校・地域合唱でも扱いやすい音域と構成が支持を得ている。配信時代においても、クリスマス・プレイリストの定番曲として新録が継続している。

まとめ

宗教詩としての深みと旋律の親しみやすさを兼ね備えた「O Little Town Of Bethlehem」は、賛美歌とポピュラーの境界を超えて歌い継がれるクリスマス定番曲である。作者・成立年などの基本情報が明確で、二つの代表旋律が存在する点も本曲の魅力と言える。