あなたのポケットにスタンダードの楽譜集をソングブック12keyに移調できる楽譜アプリ「ソングブック」

アーティスト情報なし

Good King Wenceslas

  • 作曲: TRADITIONAL
#クリスマス
App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう
← 楽曲一覧に戻る

Good King Wenceslas - 楽譜サンプル

Good King Wenceslas|歌詞の意味と歴史

基本情報

Good King Wenceslasは英語圏で広く歌われるクリスマス・キャロル。作曲者は伝承(Traditional)。歌詞は聖歌研究家ジョン・メイソン・ニールが1853年に発表し、旋律は歌集『Piae Cantiones』(1582年)所収の中世起源の歌「Tempus adest floridum」をトマス・ヘルモアが編曲して採用した。礼拝や家庭、学校の場まで浸透し、キャロル集の定番として位置づけられている。

歌詞のテーマと意味

歌詞は12月26日「聖ステパノの祝日」を舞台に、善王ヴァーツラフ(ボヘミア公ヴァーツラフ1世=聖ヴァーツラフ)が吹雪の夜に貧しい樵へ施しを届ける物語。随行する小姓は寒さに挫けそうになるが、王の足跡に重ねて歩むと温もりを得るという寓話が核である。困窮者への隣人愛と、信仰に裏打ちされた実践、そして模範が共同体を導くという倫理が、平易な語り口と反復によって印象深く提示される。

歴史的背景

ヴァーツラフは10世紀ボヘミアの統治者で、殉教後に守護聖人として崇敬された実在の人物。ヴィクトリア朝の英国では中世文化や古い賛歌の再評価が進み、ニールはラテン語資料の英訳と編纂を通じて多くの讃美歌を普及させた。原旋律の出典『Piae Cantiones』は北欧由来のラテン語歌集で、学校と礼拝の双方で歌われた曲を伝えている。本曲は学術的関心と礼拝実践が結びつく中で、近代以降のクリスマス文化に定着した。

有名な演奏・映画での使用

本曲は教会合唱や学校合唱のレパートリーとして頻繁に取り上げられ、キャロル・サービスや街頭キャロリングでも定番となっている。録音は合唱団、金管アンサンブル、フォーク/トラッド系アーティストまで編成が幅広い。特定の映画での顕著な使用例は情報不明だが、クリスマスを扱う映像作品や番組のBGMとして耳にする機会は少なくない。

現代における評価と影響

覚えやすい旋律と物語性の強い歌詞は、慈善と助け合いの象徴として共感を呼ぶ。冬季のチャリティ活動や地域イベントでの参加型合唱に適し、英語学習や合唱指導の教材としても扱いやすい。宗派や世代を越えて歌える汎用性が高く、毎冬のレパートリーとして根強い人気を保ち続けている。

まとめ

伝承旋律にヴィクトリア朝の詩が結びつき、慈愛の実践を歌うキャロルとして確立した「Good King Wenceslas」。シンプルな音型と普遍的なメッセージが、時代と場所を越えて歌い継がれている。