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クリスマスキャロルの頃には

#クリスマス#邦楽ポップス

クリスマスキャロルの頃には - 楽譜サンプル

『クリスマスキャロルの頃には』は、1992年に発表された稲垣潤一の冬の代表曲。作曲は三井誠、作詞は秋元康。TBS系ドラマ『ホームワーク』の主題歌として広く知られ、毎年冬に再注目されるJ-POPバラードである。控えめで温度感のある歌唱と叙情的なメロディが特徴で、季節の定番として長く愛されている。

歌詞は、街にキャロルが流れる季節感を手がかりに、別れと再会の約束、時間がもたらす心の揺れを丁寧に描く。祝祭の華やぎよりも、静かな情景と内省を対比させ、過去の思い出と未来への希望を同時に呼び起こすのが核心。直接的な告白を避けた言い回しが余白を生み、聴き手各々の体験と自然に重なる構造になっている。

1990年代初頭はドラマとヒット曲のタイアップが音楽シーンを牽引した時期で、本作もその潮流の中で支持を拡大した。バブル崩壊後の空気感のもと、華やかさ一辺倒ではない抑制の効いたバラードが求められ、冬のスタンダードとして定着。具体的な売上や受賞歴は情報不明だが、メディア露出は高かった。

稲垣潤一によるオリジナルが最も知られ、その後もテレビ企画やコンサートで多くのカバーが生まれた（主なカバー歌手は情報不明）。映画での使用例は情報不明。ドラマ『ホームワーク』との結びつきがイメージを強く規定している。

配信時代でも冬季に再生が伸びる傾向があり、カラオケでも季節曲の定番として選曲される。過剰に盛り上げないメロディラインと、時間の経過を鍵語で示す詞の設計が、年齢や世代を超えて機能する点が評価される。シティポップ再評価の文脈でも、都会的な距離感と抒情のバランスが再発見されている。

三井誠の端正なメロディと秋元康の物語性ある詞、稲垣潤一の透明感ある歌声が重なり、冬の情景と恋の機微を普遍化した名曲。ドラマ主題歌発のヒットという時代性を持ちながら、個々の記憶に寄り添う歌として現在も聴き継がれている。