アーティスト情報なし

Wonderful Christmastime

#ビートルズ#クリスマス#洋楽ポップス

Wonderful Christmastime - 楽譜サンプル

1979年にポール・マッカートニーが発表したクリスマス・ソングのシングル。作曲・プロデュースは本人で、ほぼ全楽器を自演。シンセサイザー主体の軽快なポップ・サウンドが特徴で、のちにホリデイ・シーズンの定番曲として定着した。

歌詞は、友人と集い、飾り付けや乾杯を楽しむ“いまこの瞬間の祝祭感”を率直に描く。宗教色は控えめで、日常の温かさと連帯感を祝う世俗的クリスマス観が核。反復のフレーズが、誰もが口ずさめる普遍性と、年末の賑わいを喚起する記憶効果を生んでいる。

本作はアルバム『McCartney II』（1980）期に録られ、単独シングルとして1979年にリリース。シンセ主導の宅録的アプローチは当時のニューウェーブ／エレポップ潮流とも響き合い、伝統的なクリスマス曲像に新しい質感をもたらした。

毎年ホリデイ期にラジオや店頭BGMで頻繁にオンエアされ、カバーも多数。具体的な映画・ドラマでの顕著な使用例は情報不明だが、季節コンピレーションや特番での採用が多く、ポップ文化の年中行事を彩る定番曲となっている。

シンプルな旋律とキラキラしたシンセは、近年のレトロ・ポップ再評価とも親和的。毎年12月にストリーミング再生が急増し、英国チャートに再浮上するなど継続的な聴取を得ている。軽快さゆえの“軽さ”という批判もあるが、季節音楽としての機能美が支持を広げている。

Wonderful Christmastimeは、肩肘張らない喜びを結晶化した現代のクリスマス・スタンダード。制作のミニマリズムと親しみやすい歌詞が、年末の空気を瞬時に連れてくる。季節に欠かせない一曲として、今後も長く聴き継がれるだろう。