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One Way Ticket (To The Blues) (恋の片道切符)

  • 作曲: HUNTER HANK, KELLER JACK
#洋楽ポップス
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One Way Ticket (To The Blues) (恋の片道切符) - 楽譜サンプル

「One Way Ticket (To The Blues) (恋の片道切符)|歌詞の意味と歴史」

基本情報

「One Way Ticket (To The Blues)(恋の片道切符)」は、Hank HunterとJack Kellerによるポップ・ナンバー。1959年、ニール・セダカが「Oh! Carol」のB面として初録音し、失恋をテーマにした軽快なロックンロール寄りのサウンドで知られる。以後、多数のカバーが生まれ、1978年にはEruptionがディスコ・アレンジで再解釈し、欧州各国でヒットを記録した。日本では邦題「恋の片道切符」として親しまれ、世代を超えて認知される代表曲の一つとなっている。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、恋の終わりを「ブルース行き」の片道切符に喩える比喩表現が核。列車や駅名といったモチーフで「戻れない旅」と心情の深まりを重ね、ポップな語感と失意の感覚を同居させる。明るいテンポに乗せて苦い現実を歌う対比が印象的で、当時のティーンポップらしいキャッチーさを保ちつつ、失恋後の自己再起の難しさを軽やかに描いている。語彙は平易ながら、映像的なイメージが強く、耳に残るフックが感情の軌跡を際立たせる。

歴史的背景

本作はブリル・ビルディング系ソングライターの仕事術が花開いた時期に生まれた。セダカは作曲家兼シンガーとして台頭し、等身大で覚えやすいメロディと日常的な言葉遣いで共感を獲得。A面主導のシングル文化の中で本曲はB面として出たが、後年のカバー成功によりタイトル自体が独立した評価を確立し、1950年代末のポップ・ソングクラフトの典型例として参照されるようになった。列車メタファーは同時代のアメリカン・ポップに通底する旅情表現の一つでもある。

有名な演奏・映画での使用

代表的録音は1959年のニール・セダカ版と、ダンサブルに刷新したEruption(1978年)で、後者はディスコ定番として親しまれる。スタイルは異なるが、いずれもフックの強いコーラスと列車モチーフのイメージを活かしている。映画・ドラマなど映像作品での顕著な使用については情報不明。多くのアーティストが時代様式に合わせた編曲で取り上げ、楽曲の普遍性を示してきた。

現代における評価と影響

現在もオールディーズ/ディスコ双方の文脈で語られ、選曲では時間帯や雰囲気に応じて原曲とカバーが使い分けられることがある。テンポ感の良い4分の拍と単純明快なフック、物語性のある比喩は、後続の失恋ポップやダンス・ポップにも通じる書法として評価される。国や世代を越えて歌い継がれる理由は、この普遍的な比喩と忘れがたいサビにあり、感傷と高揚のバランスが今日のリスナーにも訴求する。

まとめ

「恋の片道切符」は、比喩巧者の詞と覚えやすい旋律が結び付いた古典的ポップ。セダカの原点的録音とEruptionのディスコ版という二つの軸を通じ、時代ごとのサウンドに適応しながら生命力を保ち続ける一曲である。歌詞の全容は各公式資料を参照しつつ、ここで示した観点で聴くと、楽曲の奥行きがより鮮明になるだろう。