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I Will Survive

  • 作曲: FEKARIS DINO,PERREN FREDERICK J
#洋楽ポップス
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I Will Survive - 楽譜サンプル

I Will Survive|歌詞の意味と歴史

基本情報

I Will Survive は、作曲・作詞をFEKARIS DINOとPERREN FREDERICK Jが手がけ、1978年にグロリア・ゲイナーが初録音したディスコ・アンセム。ポリドールからシングルとして発表され、当初は「Substitute」のB面だったが、クラブDJの支持でA面へと“逆転”し、世界的ヒットとなった。米ビルボードHot 100と英国シングル・チャートでいずれも1位を獲得。1980年にはグラミー賞「Best Disco Recording」を受賞し、ディスコ黄金期を象徴する代表曲として知られる。

歌詞のテーマと意味

歌詞は失恋や挫折を経ても自尊心と主体性を取り戻す“生存”の宣言を核に据える。弱さの克服、境界線の再設定、前向きな自己決定といったテーマが、一人称の語り口で力強く描かれる。悲嘆から自己確信へと感情が段階的に高揚し、ダンス・フロアでの身体的解放と心理的カタルシスが結びつく点が大きな魅力。特定の相手に依存しない価値の再確認は、時代や世代を超えて共感を呼び続けている。

歴史的背景

共同作者ディノ・フェカリスは職を失った経験から“生き抜く”という発想を得たとされ、プロデューサーでもあるフレディ・ペレンと共に完成させた。グロリア・ゲイナーは当時、背中の大怪我と手術を乗り越えており、曲のメッセージは彼女自身の復活とも重なった。4つ打ちのビート、躍動するベース、ピアノのリフ、ストリングスが織りなすアレンジは、ディスコの様式美を体現しつつ歌詞のエンパワメントを増幅する。

有名な演奏・映画での使用

オリジナルのゲイナー版はクラブからラジオへ波及し、ダンス・フロアの定番に。カバーも多く、Cake(1996)のロック解釈やChantay Savage(1996)のスロウ・バラード版は異なる文脈で楽曲の強度を示した。映画では『プリシラ』(The Adventures of Priscilla, Queen of the Desert, 1994)、『リプレイスメント』(2000)、『オデッセイ』(The Martian, 2015)などで印象的に用いられ、逆境を笑い飛ばすシーンや勝利の瞬間を彩っている。

現代における評価と影響

I Will Survive はフェミニズムやLGBTQ+コミュニティのアンセムとして確固たる地位を築き、プライド・イベントやスポーツ会場、カラオケまで広く歌い継がれている。自己肯定と回復力を掲げるメッセージは、時代ごとの危機に直面するたび再解釈され、SNS時代のリールやショート動画でも定期的に再流行。音楽史的にも“ディスコ=消費的”という偏見を超え、社会的メッセージを持つダンス・ミュージックの先駆例として評価が高い。

まとめ

B面からの逆転ヒット、米英1位、グラミー受賞という輝かしい実績に加え、失敗や別離を力へ転化する普遍的な物語性が、I Will Survive を時代を超えるスタンダードへ押し上げた。ディスコの美学とエンパワメントの言葉が結びついたこの楽曲は、今日もなお多様な場で人々を奮い立たせ続けている。