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Wait
- 作曲: LENNON JOHN WINSTON, MCCARTNEY PAUL JAMES

Wait - 楽譜サンプル
Wait |歌詞の意味と歴史
基本情報
「Wait」は、LENNON JOHN WINSTONとMCCARTNEY PAUL JAMESの共作としてクレジットされるビートルズのアルバム曲。1965年リリースの『Rubber Soul』に収録され、プロデュースはGeorge Martin。ロンドンのEMIスタジオで録音され、基礎トラックは1965年中期に、追加のオーバーダブは同年11月に行われた。シングルとしての発売記録はなく、アルバム文脈で評価されてきた。
歌詞のテーマと意味
歌詞は、離れて暮らす恋人に対し“待ってほしい”という切実な感情を軸に、距離から生じる不安、信頼への希求、再会の約束といったモチーフを重ねる。リードを分け合うボーカルと密なハーモニーが、揺れる心理の独白と励ましを同時に表現し、メロディの上昇下降が感情の振幅を際立たせる。直接的な告白と内省が交錯する点が本曲の魅力である。
歴史的背景
本作は『Help!』期のセッションで最初に録られ、その後『Rubber Soul』制作の終盤にセッションが再開されて完成に至った経緯が知られる。『Rubber Soul』はフォーク・ロック志向と成熟した作詞が特徴のアルバムで、「Wait」はその文脈の中で、ツアー中心の多忙な時期における私的感情の吐露という側面を担い、作品全体の色調に陰影を与えている。
有名な演奏・映画での使用
「Wait」はシングル曲ではないため、当時のプロモーション映像やテレビ出演での定番曲としての扱いは情報不明。映画やドラマへの顕著な使用例も情報不明である。一方、スタジオ録音における二重のボーカル・テクスチャとアコースティックとエレクトリックのブレンドは、アルバム内の聴きどころとしてしばしば言及される。
現代における評価と影響
今日では『Rubber Soul』の多面的なサウンドを理解するうえで欠かせない一曲として参照されることがある。派手さは控えめながら、ジョンとポールの声質の対比、タイトなリズムセクション、素朴なパーカッションが織りなすニュアンスは、後続のポップ・ロックにおける内省的なバラッド志向を先取りする例として注目される。
まとめ
「Wait」は、離別と帰還のあいだに揺れる心情を簡潔な構成で描いたアルバム曲である。1965年の制作背景とハーモニー重視のアレンジが相まって、『Rubber Soul』の内省的な側面を象徴する存在となっている。歌詞の核心は普遍的で、現在も色褪せない。