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Born Free

  • 作曲: BARRY JOHN
#洋楽ポップス#映画音楽
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Born Free - 楽譜サンプル

Born Free|作品の特徴と歴史

基本情報

「Born Free」は、作曲ジョン・バリー、作詞ドン・ブラックによる1966年公開の映画『野生のエルザ(Born Free)』の主題歌であり、同作のスコアの中心主題でもある。歌唱ではマット・モンロー版が広く知られ、作品はアカデミー賞歌曲賞を受賞。オーケストラ版と歌入りの両形態が存在し、劇伴とポピュラーの橋渡しを果たした。

音楽的特徴と表現

雄大なサバンナの広がりを想起させる伸びやかな主旋律を、豊潤なストリングスと穏やかな木管・ホルンが支える。シンプルで温かな和声進行と緩やかなテンポ運びが情感を深め、間奏では主題の動機を変奏しつつ徐々に厚みを増す。歌唱は長いフレーズ設計で、言葉と映像の呼吸に寄り添う抒情性が際立つ。劇版ではテーマの器楽化やテンポ変更により、場面ごとにニュアンスを巧みに変えている。

歴史的背景

1960年代半ば、ジョン・バリーは『007』シリーズで名声を確立しつつ、叙情的な作品でも評価を高めていた。「Born Free」は作詞家ドン・ブラックとの協働による代表作で、野生動物保護への関心が世界的に高まる時代感とも呼応。映画音楽が大衆歌として広く受容される潮流を象徴し、英国発のシネマ・スコアの国際的存在感を示した。

使用された映画・舞台(該当時)

本作は映画『野生のエルザ』で、オープニングやエンドクレジット、物語の転機にリプライズされ、感情の支柱として機能した。ケニアを舞台に人とライオンの共生を描く映像と音楽が強固に結びつき、主題は登場人物の葛藤と“自由”という価値の象徴として繰り返し提示される。映画以外での初出舞台作は情報不明。

現代における評価と影響

今日も映画音楽コンサート、シンフォニック編曲、合唱・吹奏楽のレパートリーとして親しまれ、数多くの歌手・器楽奏者が録音を残している。マット・モンローの名唱は定番となり、同曲は映画音楽とポピュラー音楽のクロスオーバーの成功例として引用され続けている。自然・動物保護の文脈で取り上げられる機会も多く、作品のメッセージ性は世代を超えて共感を呼ぶ。

まとめ

「Born Free」は、映画の情景を音で拡張するテーマ性と、独立した歌曲としての普遍性を併せ持つ稀有なナンバーである。シンプルな素材を丁寧に磨き上げるジョン・バリーの職人技が、伸びやかで希望に満ちた響きを実現。公開から半世紀以上を経ても、その旋律は自由と生命への賛歌として輝き続けている。