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Knock On Wood

  • 作曲: CROPPER STEVE,FLOYD EDDIE
#R&B#洋楽ポップス
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Knock On Wood - 楽譜サンプル

Knock On Wood|歌詞の意味と歴史

基本情報

Knock On Woodは、Eddie FloydとSteve Cropperの共作による1966年発表のソウル曲。初出はエディ・フロイドのシングルで、米国のStax/Voltから発売。スタックスのハウス・バンドが骨太のビートとホーンで支え、R&B/ポップ両チャートで広くヒットした。端的でフックの強いメロディ、印象的なブレイクと手拍子の誘発力が持ち味で、ステージでも映える構成が特徴だ。

歌詞のテーマと意味

タイトルの“knock on wood(木に触れて縁起を担ぐ)”は不運を避ける英語表現。歌詞は、幸運な恋を得た語り手がその幸福を壊したくないと願い、験担ぎとして「ノック・オン・ウッド」と口にする。迷信めいた言い回しを借りながら、現在の喜びへの感謝と未来への用心深さを歌い上げる前向きなラブソングである。反復されるコーラスは観客参加型の高揚を生み、ダンスフロアとラジオの双方で機能した。

歴史的背景

本作はメンフィスのスタックス黄金期を象徴する一曲。クロッパーとフロイドが手掛け、南部ソウル特有のタイトなグルーヴとコール&レスポンスが際立つ。スタックスの音作りは、リズムの粘りとミニマルな配置でボーカルの説得力を最大化する点に特色があり、その設計が本曲でも生きている。制作の細部やセッション参加者のクレジットの一部は情報不明。

有名な演奏・映画での使用

代表的カバーはAmii Stewartの1979年ディスコ版。シンセと四つ打ちを導入した大胆な更新で国際的ヒットとなり、原曲の強度を新時代へ接続した。David Bowieは1974年のライヴで取り上げシングル化、ロック的な解釈で楽曲の普遍性を示した。さらに、Otis Redding & Carla Thomasのデュエット版も定番として知られる。具体的な映画での使用例は情報不明。

現代における評価と影響

Knock On Woodは、ソウル/ディスコ双方の“定番曲”として今も演奏される。決め台詞と手拍子を誘うリズムは世代を超えて共有され、カバーや編曲の土台としての強さも高く評価されている。プレイリストや旧譜再評価の流れの中で露出は継続し、スタックス・サウンドの魅力を知る入口としても機能し続ける存在だ。

まとめ

迷信をポジティブに転化した言葉と、シンプルで力強いメンフィス・グルーヴ。その融合がKnock On Woodを時代を越えるポップ・ソウルへ押し上げた。原曲の粘りとAmii Stewart版の華やかさという二つの代表形を聴き比べれば、メロディとリズムの普遍性がいっそう鮮明になる。