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Diary,The
- 作曲: SEDAKA NEIL

Diary,The - 楽譜サンプル
Diary,The|歌詞の意味と歴史
基本情報
「Diary,The」は作曲をSEDAKA NEIL(ニール・セダカ)が手がけ、1958年に発表されたポップ・ソング。作詞はHoward Greenfield。セダカ自身の歌唱によるシングルとしてリリースされ、米国でヒットし、Billboard Hot 100でトップ20に到達(最高位14位とされる)。セダカ/グリーンフィールドの名コンビによる初期の成功作で、後年の多数のヒットへとつながる出発点となった。ジャンルは当時の主流であるティーン向けポップに属し、親しみやすいメロディとコンパクトな曲構成が特徴。
歌詞のテーマと意味
歌詞の中心は、気になる相手の“日記(Diary)”に込められた本心を知りたいという、10代特有の切実で甘酸っぱい願望である。語り手は、相手が自分をどう思っているのかを知るために“鍵のかかった小さな本”に目を向ける。プライバシーという境界に触れつつも、覗き見の是非を説教的に扱うのではなく、初恋のときめきや不安をストレートに描くことで共感を喚起する。結果として、恋愛初期の期待と不安、承認欲求と臆病さが織り込まれ、1950年代の若者文化に広く響いた。
歴史的背景
1950年代後半のアメリカ音楽界では、ティーン市場が急速に拡大し、簡潔で覚えやすいメロディと日常的な題材を持つ楽曲が支持を集めた。セダカとグリーンフィールドは“ブリル・ビルディング派”の代表的なソングライター・チームとして台頭し、本作はその黎明期を象徴する一曲である。ピアノを軸にした明快な進行と、呼吸の良いメロディ・ラインはラジオとの親和性が高く、当時のシングル市場に最適化されていた。
有名な演奏・映画での使用
最も広く知られるのはニール・セダカ自身によるオリジナル録音で、後年のベスト・コンピレーションにも継続的に収録されてきた。顕著な映画・ドラマでの使用や、特定の著名アーティストによるカバーで一般に定着した事例については情報不明。二次利用に関する網羅的な公式記録も確認できる範囲では情報不明である。
現代における評価と影響
「Diary,The」は、セダカ/グリーンフィールドの作家性を世に示した初期重要作として位置づけられる。等身大のティーン感情を巧みにポップ・メロディへ落とし込む手つきは、後のセダカ作品にも通底し、1960年代以降の洗練されたポップスへつながる道筋を早期に提示した。今日では、1950年代ポップの教科書的楽曲のひとつとして、ジャンル史やソングライティング研究の文脈で参照されることが多い。
まとめ
「Diary,The」は、鍵付きの日記という象徴的モチーフを用い、若者の心情を端的に描いた1958年のポップ・クラシックである。シンプルな構成と記憶に残るメロディ、そして普遍的な恋の不安と期待が時代を超えて機能し、ニール・セダカのキャリアを押し上げた。具体的な二次利用の詳細は情報不明だが、初期ティーン・ポップの要点を体現する作品として、今なお価値を保ち続けている。