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菅原洋一

知りたくないの

  • 作曲: ROBERTSON DON
#洋楽ポップス#歌謡曲#シャンソン
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知りたくないの - 楽譜サンプル

知りたくないの|歌詞の意味と歴史

基本情報

「知りたくないの」は、作曲家ドン・ロバートソン(Don Robertson)による名曲「I Really Don’t Want to Know」をもとにした日本語タイトル。原曲は英語のポップ/カントリー・バラードとして知られ、日本語版は歌謡曲的な表現で親しまれている。日本語詞の正式な作詞者名や日本国内での初出年は情報不明だが、複数の歌手によってカバーされ、昭和歌謡から現在に至るまで歌い継がれるレパートリーの一つとなっている。

歌詞のテーマと意味

核心となるテーマは、愛する相手の過去や真実を「知りたくない」と願う心情だ。嫉妬や不安を抱えながらも、あえて知らずにいることで今の関係を守ろうとする自己防衛の心理が描かれる。問い詰めることの痛みと、知らないままでいることの脆さが同居し、切なさと成熟した諦観が同時に立ち現れる。日本語版でも、この揺れる感情の往復が丁寧に表現され、語りかけるような節回しと相性がよい。具体的な描写は多くを語りすぎず、聴き手に余白を残すことで普遍的な共感を生む。

歴史的背景

原曲「I Really Don’t Want to Know」は1953年の作品で、アメリカのカントリー/ポップ領域で広く知られるようになった。戦後の日本では、欧米ポピュラーの翻案やカバーが歌謡曲に取り込まれていく流れがあり、本曲もその文脈で受容が進んだと考えられる(日本語版の正確な制作経緯は情報不明)。哀愁を帯びた旋律と、言葉数を抑えた心理描写は、日本語の歌唱スタイルとも親和性が高く、長くレパートリーとして残る素地をつくった。

有名な演奏・映画での使用

国際的には、原曲をエディ・アーノルドが録音し、その後エルヴィス・プレスリーも取り上げたことが広く知られている。日本語版は複数の歌手によってシングルやアルバムで録音され、コンサートやテレビ歌唱でも繰り返し披露されてきたが、代表的録音の網羅的リストは情報不明。日本国内の映画・ドラマでの具体的な使用事例についても情報不明である。

現代における評価と影響

「知りたくないの」は、過度なドラマ性に頼らずに心の揺らぎを描くバラードとして、世代を超えて歌われている。カバーのしやすさや編成の柔軟さ(ピアノ伴奏からフルバンドまで対応可能)も、定番化を後押ししてきた要因だ。ライブでは静かなダイナミクスの起伏で心理を掘り下げる解釈が好まれ、録音では音数を抑えたアレンジが歌詞の余韻を引き立てる。配信時代においても、スタンダード的な価値をもつ楽曲として再評価が続いている。

まとめ

ドン・ロバートソン作曲の系譜を引く「知りたくないの」は、愛の不安と保身のせめぎ合いを静かに描くバラードであり、日本語圏でも長く愛されてきた。日本版の作詞者や初出の詳細は情報不明だが、原曲の普遍性と日本語表現の相性により、時代を超えるレパートリーとして定着。聴くたびに新たな解釈を許す余白が、この曲の寿命を支えている。