あなたのポケットにスタンダードの楽譜集をソングブック12keyに移調できる楽譜アプリ「ソングブック」

アーティスト情報なし

朧月夜

  • 作曲: 岡野 貞一
#トラディショナル
App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう
← 楽曲一覧に戻る

朧月夜 - 楽譜サンプル

朧月夜|歌詞の意味と歴史

基本情報

朧月夜は、作曲・岡野貞一、作詞・高野辰之による日本の唱歌。1914年(大正3年)に「尋常小学校唱歌」に収められ、春を代表する歌として広く知られる。素直で歌いやすい旋律と、穏やかなテンポが特徴で、独唱から合唱、器楽まで幅広く演奏されている。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、夕暮れの野に朧にかすむ月が浮かび、菜の花の黄や遠くの山影、そよぐ風、鳥や人の気配など、春の移ろいを静かに描く。直接的な感情表現は控えめだが、柔らかな光と霞のイメージが、生命の芽吹きと郷愁を同時に感じさせるのが魅力。自然へのまなざしと季節感が核にある。

歴史的背景

本曲は、近代日本の学校音楽を支えた岡野・高野のコンビによる代表作の一つ。西洋音楽の和声や旋律法を基盤にしつつ、日本語のリズムに寄り添う唱法で作られた。文部省が編集した唱歌教材に採用され、鑑賞と斉唱を通じて言語教育と情操教育を両立させる目的に資した。

有名な演奏・映画での使用

合唱編曲やピアノ、リコーダー、弦楽、和楽器を含む多様な版で録音・演奏が重ねられてきた。学校や地域合唱団の定番レパートリーとして取り上げられる機会も多い。一方、特定の映画・ドラマでの顕著な使用については情報不明。代表的な商業録音の網羅的一覧も情報不明。

現代における評価と影響

現代でも春の合唱曲・合奏曲として親しまれ、教材やコンサートで世代を超えて歌い継がれている。旋律の平明さは初学者の学習に適し、同時に豊かなハーモニー処理や合唱表現の工夫にも耐えるため、教育・芸術の両面で価値を持つ。地域行事や季節の催しでの演奏例も多い。

まとめ

朧月夜は、春の情景を透明感ある音とことばでとらえた唱歌の名品である。作曲・岡野貞一、作詞・高野辰之の手腕が結実し、学校音楽から一般の舞台まで長く愛されてきた。静かな美しさと普遍性が、今も私たちの記憶にやわらかく灯り続けている。