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BEGIN

涙そうそう

  • 作曲: BEGIN
#歌謡曲#邦楽ポップス
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涙そうそう - 楽譜サンプル

涙そうそう|歌詞の意味と歴史

基本情報

『涙そうそう』は、BEGINが作曲、森山良子が作詞した日本のポップ・ソング。タイトルは沖縄の言葉で「涙があふれる」の意を持つ。穏やかな長調のメロディと素朴な伴奏が核で、三線やアコースティック・ギターの音色が印象的に用いられることが多い。夏川りみの2001年のシングルとして広く知られるようになり、その後も多くの歌手が録音・歌唱してきた、世代を超える定番曲である。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、喪失と追憶、そして感謝を静かに描く。離れてしまった大切な人を思い出す語り口で、日常のささやかな風景から記憶が立ち上がり、胸の奥で温かさと切なさが交差する。サビでは、あふれる涙を否定せず受けとめる姿勢が示され、悲しみを抱えながら前へ進む力へと昇華される。比喩は控えめで語彙は平易、聴く人が自分の物語に重ねやすい普遍性を備える。

歴史的背景

この曲は、森山良子が身近な喪失体験を手がかりに詞を綴り、BEGINが沖縄の旋律感をいかして曲を付けたとされる。2001年、夏川りみが発表して大きな注目を集め、沖縄音楽への関心を全国へ広げる契機のひとつとなった。その後、テレビ番組や学校・合唱のレパートリーにも浸透し、季節や場面を問わず歌われるスタンダードへと定着した。

有名な演奏・映画での使用

代表的な音源としては、夏川りみのシングル版が広く知られるほか、作曲者のBEGINや作詞者の森山良子によるセルフカバーもある。国内外のアーティストによる多言語カバーも多数。映画『涙そうそう』(2006年、監督・土井裕泰)では主題歌として用いられ、物語の情感を強く支えた。ドラマや各種イベントでの使用例も多く、郷愁を誘う旋律が幅広い場面に寄り添っている。

現代における評価と影響

現在もカラオケや合唱、地域イベントの定番曲として親しまれ、追悼や旅立ちのシーンでも選ばれることが多い。音域が極端に広くないため歌いやすく、三線やギター、ピアノなど編成の自由度も高い。配信時代においても長く聴かれ続け、沖縄発のポップスが持つ普遍性とローカリティの両立を示す代表例として評価されている。

まとめ

『涙そうそう』は、沖縄の言葉に宿る情緒と普遍的な別れの感情を、簡潔な言葉と温かい旋律で結び合わせた名曲である。作曲・BEGIN、作詞・森山良子という確かな創作陣によって生まれ、時代や国境を越えて歌い継がれている。これからも多様な解釈で新たな歌い手に受け継がれていくだろう。