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God Help the Outcasts (ノートルダムの鐘)

  • 作曲: MENKEN ALAN
#洋楽ポップス#ディズニー
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God Help the Outcasts (ノートルダムの鐘) - 楽譜サンプル

God Help the Outcasts (ノートルダムの鐘)|作品の特徴と歴史

基本情報

「God Help the Outcasts」は、ディズニー長編アニメーション映画『ノートルダムの鐘』(1996年)に書き下ろされた挿入歌。作曲はアラン・メンケン、作詞はスティーブン・シュワルツ。作中では、ジプシーの少女エスメラルダがノートルダム大聖堂で神に祈りを捧げる場面で歌われる。個人の願望ではなく、虐げられた人々への救いを求める祈りが主題となる。

音楽的特徴と表現

荘厳な聖歌風の旋律と、教会音楽を想起させる和声運びが核。静かな独唱で始まり、弦楽、木管、オルガンが柔らかく支え、要所で合唱が重なって祈りのスケールを拡張する。装飾を抑えた旋律線と穏やかなテンポは、内省と慈悲の感情を丁寧に描き、映画音楽として物語を感情面から牽引する役割を果たしている。

歴史的背景

メンケンは『リトル・マーメイド』『美女と野獣』『アラジン』でディズニー音楽の黄金期を築いた後、本作でより重厚な宗教的・社会的テーマに挑んだ。ヴィクトル・ユゴー原作の世界観に寄り添い、シュワルツの言葉と組み合わせることで、弱者へのまなざしを中心に据えた楽曲が生まれた。

使用された映画・舞台(該当時)

映画本編では、礼拝者たちが富や成功を願う祈りと、エスメラルダの他者を思う祈りが対照的に描かれ、映像と音楽が緊密に結び付く。のちに上演された舞台版『ノートルダムの鐘』でも重要曲として採用され、演出に応じて独唱と合唱のバランスやオルガンの響きが強調されるなど、場面の核心を担っている。

現代における評価と影響

作品の主題である包摂と共感が幅広い層に支持され、映画音楽のバラードとして長く歌い継がれている。合唱・ソロ双方の編曲が多く制作され、コンサートや学校公演でも定番曲となった。宗教施設やホールの残響を活かした演奏が好まれ、静謐さと普遍的な祈りのメッセージが再評価されている。

まとめ

映画の物語性と聖歌の美学を結ぶ本曲は、メンケンの多彩な語法を示す代表的バラード。弱き者への眼差しを音楽で可視化し、時代や場を越えて聴き手の倫理観に働きかける。映像と舞台の双方で生命力を保ち続ける、ディズニー屈指の祈りの歌である。