He's a Pirate 彼こそは海賊 (カリブの海賊)
- 作曲: BADELT KLAUS,ZANELLI GEOFFREY PAUL,ZIMMER HANS FLORIAN
He's a Pirate 彼こそは海賊 (カリブの海賊) - 楽譜サンプル
He's a Pirate 彼こそは海賊 (カリブの海賊)｜作品の特徴と歴史
基本情報
「彼こそは海賊（He's a Pirate）」は、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン／呪われた海賊たち』（2003）の象徴的メインテーマ。クレジットはクラウス・バデルト作曲、ジェフ・ザネリ、ハンス・ジマーが制作・追加音楽で関与する、オーケストラによるインストゥルメンタル曲である。疾走感と覚えやすい主題により、シリーズ全体を代表する楽曲として広く認知されている。
音楽的特徴と表現
躍動するストリングスのオスティナートに、勇壮なブラスのファンファーレが重なり、打楽器の切れ味あるリズムが推進力を生む。主題は短い動機の反復と順次進行で拡大し、コール＆レスポンスや転調、ダイナミクスの対比によって高揚感を構築。明快な和声進行と重厚なオーケストレーションが、荒波を進む船と冒険心を描き出す。映画音楽としての機能性と単独曲としての魅力を兼ね備える点が強みだ。
歴史的背景
本作のスコアは短期間で大規模な制作体制が敷かれ、複数の作曲家・アレンジャーが分担して仕上げたことで知られる。ジマーは音楽制作の統括的役割を担い、ザネリは編曲・追加楽曲で貢献。バデルトが中核テーマを提示しつつ、チームの協働で音世界を拡張した。結果としてテーマはシリーズの音楽的アイデンティティを形成し、以後の続編でも動機が再利用・発展された。
使用された映画・舞台（該当時）
初出は『呪われた海賊たち』（2003）で、特にエンドクレジットやアクション場面で印象的に用いられた。その後『デッドマンズ・チェスト』（2006）、『ワールド・エンド』（2007）、『生命の泉』（2011）、『最後の海賊』（2017）でも主題素材が継承。公式サウンドトラックに収録され、映画全編上映と生演奏を組み合わせたコンサート企画でも頻繁に演奏されている。パーク等での恒常的使用は情報不明。
現代における評価と影響
キャッチーで汎用性の高い主題は、吹奏楽・マーチング、ピアノ独奏、メドレーなど膨大な編曲を生み、教育現場や演奏会で定番化。映像音楽の入門曲としてもしばしば取り上げられ、海賊譚＝勇壮なリズムというイメージを一般化させた代表例と評される。映画ファンのみならず、演奏者・観客双方にとって“鳴った瞬間に世界観を喚起する”テーマとして定着した。
まとめ
「彼こそは海賊」は、明快な動機と推進的リズム、壮大なオーケストレーションで冒険活劇の興奮を凝縮した映画音楽の金字塔である。2003年の誕生以来、スクリーン内外で鳴り響き続け、シリーズのブランディングを支える核となったテーマと言える。映画音楽・演奏会レパートリー双方で、今後も長く親しまれるだろう。