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I See the Light (塔の上のラプンツェル)
- 作曲: MENKEN ALAN

I See the Light (塔の上のラプンツェル) - 楽譜サンプル
I See the Light (塔の上のラプンツェル)|歌詞の意味と歴史
基本情報
「I See the Light」は、ディズニー映画『塔の上のラプンツェル』(原題:Tangled, 2010)の劇中歌。作曲はアラン・メンケン、作詞はグレン・スレイター。劇中ではラプンツェルとフリン・ライダーがボート上でデュエットし、英語版の歌唱はマンディ・ムーアとザッカリー・リーヴァイが担当。第83回アカデミー賞およびゴールデングローブ賞で主題歌賞にノミネートされ、第54回グラミー賞では「最優秀映像作品楽曲賞」を受賞した。ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの長編第50作を象徴する代表曲として知られる。
歌詞のテーマと意味
タイトルの「光を見る」は、閉ざされていた世界から視界が開け、自己発見と信頼が芽生える瞬間の比喩。二人の独白が交互に進み、サビでハーモニーが重なる構成により、心の焦点が一致していくドラマが音楽的に表現される。ランタンの灯りは過去の束縛からの解放と未来への希望を象徴し、直接的な告白に頼らずに感情の成熟を描くのが特徴。映画全体の物語と精密に同期し、キャラクターの成長を視覚と音響の両面で可視化している。
歴史的背景
1990年代のディズニー・ルネサンスを牽引したメンケンが、3D CG時代に提示した王道のバラード。クラシカルな和声感とオーケストレーションに、現代的な録音・サウンドデザインを融合させ、物語推進型の作曲法を継承・発展させた。スタジオ長編第50作という節目に相応しく、作品のロマンティックな核を担う曲として位置づけられている。
有名な演奏・映画での使用
映画のハイライトである、無数のランタンが夜空を彩る湖上のボート・シーンで歌われることが最もよく知られている。公式サウンドトラックに収録され、各国語の吹替版でも現地歌手によるデュエットが制作・発表された。その後も公式コンサートやシンフォニック公演で頻繁に取り上げられ、合唱・合奏アレンジも多数流通している。
現代における評価と影響
2010年代のディズニーを代表するバラードとして高い評価を受け、映画音楽ファンのみならず幅広い層に浸透。ウェディングやセレモニーの選曲として人気を集め、カバー演奏や動画投稿を通じて継続的に広がりを見せる。メンケンらしい滑らかな旋律線と終盤のモジュレーションは、後続のディズニー作品や舞台楽曲にも影響を与えたと評される。
まとめ
「I See the Light」は、物語性と普遍的なポップスの魅力を架橋するデュエット・バラード。映像美と音楽が結び付く名場面により楽曲の意味が最大化され、受賞歴を伴って不朽の人気を獲得した。映画を知らないリスナーにも届く独立した完成度を備えつつ、作品世界の感情の核を鮮やかに照らす一曲である。