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I'm Late (ふしぎの国のアリス)

  • 作曲: HILLIARD BOB,FAIN SAMMY
#洋楽ポップス#ディズニー
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I'm Late (ふしぎの国のアリス) - 楽譜サンプル

I'm Late (ふしぎの国のアリス)|歌詞の意味と歴史

基本情報

「I'm Late」は、1951年公開のディズニー長編アニメーション『ふしぎの国のアリス』に登場する挿入歌。白うさぎが登場早々に歌う短いコミック・ソングで、慌てふためくキャラクター像を一瞬で伝える役割を担う。音楽はサミー・フェイン、歌詞はボブ・ヒリアードによる英語曲で、原題は “I’m Late”。映画サウンドトラックの中でも認知度が高く、物語の導入を象徴する一曲として知られている。

歌詞のテーマと意味

歌詞の中心は「遅刻」への切迫感と自己独白。懐中時計を気にし続ける白うさぎの焦りを、速いテンポと反復表現でユーモラスに描く。短いフレーズを畳みかけるパター・ソング的運びが可笑しみを生み、聴き手に高揚とせわしなさを同時に伝える。結果として、白うさぎの性格付けと物語の推進力(アリスを追いかけさせる動機)を、数十秒の音楽で明快に提示している。

歴史的背景

戦後期のディズニーは、音楽と言語遊びを駆使して原作の不条理と軽妙さを映像に結晶化した。フェイン&ヒリアードは本作で複数の楽曲を手がけ、場面ごとの性格を音楽で短く鮮やかに描写。「I’m Late」はその代表で、機能性と覚えやすさを両立するソングライティングの典型例といえる。テンポ、リズム、言葉の反復を用い、物語の導入に必要な情報を音楽的快感とともに提示した。

有名な演奏・映画での使用

劇中では白うさぎの登場とともにこの主題が提示され、以降も器楽的に動機が差し込まれるなど、キャラクターのライトモチーフとして機能する。公式サウンドトラックやディズニー関連のメドレー、コンピレーションへの収録機会も多く、短尺ながら印象に残る反復句が録音作品としても親しまれてきた。映画内での場面密着型の使われ方が記憶度を高めている。

現代における評価と影響

「遅れる」「急がなきゃ」という日常的感情をユーモラスに普遍化した点が評価され、白うさぎのアイコン性とともにポップカルチャーの参照点として定着。覚えやすい旋律とテンポの良い語り口は教育的・娯楽的な場面でも扱いやすく、今日までカバーや編曲が継続している。映画の記憶を呼び起こす効果が強く、世代を超えて共有される小品である。

まとめ

「I’m Late」は、歌詞・旋律・演出が緊密に連動し、白うさぎの性格と物語の推進を一挙に示すディズニーの巧みさを体現する。短いながらも機能美が際立ち、映画全体のテンポ感を決定づけた。1951年の初登場以来、記憶に残るフレーズで聴き手を惹きつけ続ける不朽の挿入歌である。