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I've Got No Strings (ピノキオ)

  • 作曲: HARLINE LEIGH,WASHINGTON NED
#洋楽ポップス#ディズニー
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I've Got No Strings (ピノキオ) - 楽譜サンプル

「I've Got No Strings (ピノキオ)|歌詞の意味と歴史」

基本情報

「I've Got No Strings」は、ディズニー長編アニメーション『ピノキオ』(1940)に登場する劇中歌。作曲レイ・ハーライン、作詞ネッド・ワシントンによるコンビが手がけ、ピノキオの声を務めたディッキー・ジョーンズが歌唱した。サウンドトラックにも収録され、映画内では見世物小屋の舞台で披露される躍動的なナンバーとして位置づけられている。

歌詞のテーマと意味

歌詞は「操り糸がない=束縛から自由だ」というメタファーを軸に、自己決定と独立心を明るく宣言する内容。とはいえ物語上のピノキオはまだ未熟で、周囲に翻弄される皮肉も同居する。各国の人形たちとの掛け合いが加わり、無邪気さと世界への好奇心をコミカルに描出。解放感あふれるリフレインが観客の共感と高揚を呼び起こす。

歴史的背景

本曲はディズニー黄金期を代表する音楽陣によって制作された。ハーラインとワシントンは同作で「星に願いを」も手がけ、同曲はアカデミー歌曲賞を受賞。『ピノキオ』全体の音楽は、物語の推進力とキャラクター描写を担う“ダイジェティック”な楽曲とスコアが緊密に結びつくのが特徴で、本曲もその文脈で機能するキーナンバーとなっている。

有名な演奏・映画での使用

初演は映画版のディッキー・ジョーンズ。以後、ディズニーの公式カバーやオーケストラ編曲が多数制作され、パークのショーでもたびたび引用されてきた。特筆すべきは、2015年公開『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の予告編で、不気味に再構築されたフレーズが用いられたこと。無垢さの裏返しとしての“糸のない存在”が新たな解釈を得て話題となった。

現代における評価と影響

「No Strings」は独立や主体性の代名詞としてポップカルチャーに定着。教育現場や合唱・吹奏楽のレパートリーでも取り上げられ、世代を超えて親しまれている。短く覚えやすいメロディ、軽快なリズム、コール&レスポンス構造は、参加型のステージに適し、今日でもイベントやメディアでの引用価値が高い。

まとめ

『ピノキオ』の物語と密接に結びついた「I've Got No Strings」は、自由の歓びと未熟さの危うさを同時に映す、明快で多義的な劇中歌である。単独でも楽しめ、物語の文脈ではさらに意味が深まる。映画音楽史におけるディズニー・ソングの語彙を広げ、今なお新しい解釈を呼び込む生命力を保ち続けている。