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Lavender Blue (So Dear to My Heart) (わが心にかくも愛しき)

  • 作曲: DANIEL ELIOT
#洋楽ポップス#ディズニー
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Lavender Blue (So Dear to My Heart) (わが心にかくも愛しき) - 楽譜サンプル

「Lavender Blue (So Dear to My Heart) (わが心にかくも愛しき)|歌詞の意味と歴史」

基本情報

「Lavender Blue (So Dear to My Heart)(わが心にかくも愛しき)」は、作曲DANIEL ELIOT、作詞Larry Moreyによる1948年のポピュラーソング。ディズニー映画『So Dear to My Heart』(邦題は情報不明)のために書かれ、しばしば副題“Dilly Dilly”でも知られる。やさしい旋律と覚えやすいリフレインが特徴で、映画主題歌として発表されたのち、独立したスタンダードとして歌い継がれてきた。

歌詞のテーマと意味

歌詞はラベンダーの色彩や香りを手がかりに、恋人への親愛と穏やかな約束を描く。子守歌にも通じる語り口と、ナンセンスな掛け声の反復によって、幼い聴き手にも届く温かさを持つ一方、大人にとっては素朴な恋の誓いとして響く。直截的な告白よりも、日常の情景と比喩で感情を包み込む設計が本作の核心であり、家庭的な安心感と軽いユーモアが共存している。

歴史的背景

起源は17世紀のイングランドに伝わる民謡「Lavender’s Blue」に遡る。ディズニー版はその伝承をもとに、EliotとMoreyが新たな旋律と歌詞構成で再創造したものと位置づけられる。1948年公開作で用いられ、翌年度のアカデミー賞歌曲賞にノミネート。民謡由来の素朴さとハリウッド的洗練を橋渡しした点が、当時の大衆音楽と映画音楽の潮流に合致し、幅広い層への浸透を後押しした。

有名な演奏・映画での使用

初出は映画『So Dear to My Heart』の劇中歌としての使用。公開後は映画外でも広く録音され、Burl Ivesによる歌唱がよく知られる。さらに1959年、Sammy Turnerのヴァージョンが米国チャートで成功を収め、R&B/ポップ両方のリスナーに届いたと評価される。児童向けの教材や合唱アレンジも多数制作され、家庭や学校で口ずさまれる定番曲として定着した。

現代における評価と影響

今日ではディズニー発の古典的ラブソングとして、映画音楽史・子どもの歌・ポピュラーの各文脈で参照される存在となっている。著作権者が明確な映画歌曲でありながら、伝承歌の面影を残すため「伝統曲」と混同されることもあるが、映画版はEliot/Moreyのクレジットが付く独立した作品である点が重要である。配信やカバーの継続によって、世代や地域を越えた歌い継がれ方が続いている。

まとめ

「Lavender Blue」は、民謡的な親しみやすさと映画音楽のロマンを併せ持つ一曲。1948年のスクリーンで生まれ、家庭の子守歌としても愛され、ポップスとしても広がった。簡潔な言葉で情感を伝える設計と、耳に残るフレーズが普遍性を支え、今なお多様な場面で引用・演奏される理由となっている。映画と民謡の美しい接点を示す代表例と言える。