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Let It Go(アナと雪の女王)

  • 作曲: ANDERSON LOPEZ KRISTEN,LOPEZ ROBERT J
#洋楽ポップス#ディズニー
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Let It Go(アナと雪の女王) - 楽譜サンプル

Let It Go(アナと雪の女王)|歌詞の意味と歴史

基本情報

「Let It Go」は、ディズニー映画『アナと雪の女王(Frozen)』で使用された挿入歌。作曲・作詞はクリステン・アンダーソン=ロペスとロバート・ロペス。初出は2013年。劇中ではエルサの歌としてイディナ・メンゼルが英語版を歌唱し、日本語吹替は松たか子、エンドソングはデミ・ロヴァート(英語版)やMay J.(日本版)が担当した。第86回アカデミー賞(2014年)で歌曲賞を受賞し、翌年のグラミー賞「映像作品向け最優秀楽曲」も受賞。米ビルボードHot 100ではトップ5入りを果たし、世界的ヒット曲として広く認知されている。

歌詞のテーマと意味

歌詞の中心テーマは「自己解放」と「自己受容」。抑え込んできた力や感情を否定せず、他者の期待から距離を置いて“自分らしさ”を肯定する姿勢が描かれる。エルサは孤独と恐れから決別し、新たな自分を受け入れる決意を歌い上げる。高揚感のあるメロディと転調、上昇する旋律線は、内面の解放と自立のプロセスを音楽的にも体現。サビの反復は意志の強度を象徴し、聴き手のカタルシスを促す。個人的な成長物語であると同時に、他者の規範に縛られない生き方への普遍的なメッセージとしても受け止められている。

歴史的背景

制作過程で本曲は物語構造に大きな影響を与えたとされ、クリエイティブ陣はエルサ像を単純な“反派”ではなく、複雑で共感可能な人物へと再定義する契機になったと語っている。作曲を担ったロペス夫妻はブロードウェイ畑の作家で、劇的な展開とキャラクターソングの文法を映画音楽に融合。2010年代のディズニーが再びミュージカル的語り直しに力を入れる流れの中で、本曲はフランチャイズの音楽的刷新を象徴する存在となった。

有名な演奏・映画での使用

映画ではエルサが雪山で氷の城を築くシークエンスで歌われ、映像と楽曲が強固に結びついた名場面を形成。イディナ・メンゼルはアカデミー賞授賞式で披露し、国際的注目を集めた。エンドクレジットにはデミ・ロヴァートのポップ・アレンジ版が用意され、ラジオフレンドリーな形で普及。ディズニー公式の多言語マッシュアップ映像や各国吹替版も話題となり、日本では松たか子版とMay J.版の両輪で広く浸透した。以後、数多くのカバー、合唱、コンテスト演奏の定番曲となっている。

現代における評価と影響

「Let It Go」は単なる劇中歌を超え、自己肯定のアンセムとして世代横断的に受容された。SNSや動画共有サイトでのカバー拡散、ミーム化、教育・合唱現場での定番化など、ポップカルチャー内外に広い波及効果を持つ。音楽的には力強いベルティング、ドラマティックなダイナミクス、印象的な転調が“歌い上げる快感”を生み、カラオケ・ライブ双方で映える設計が評価されている。ディズニー音楽の現代的アップデートの成功例として批評的にも高く位置づけられる。

まとめ

「Let It Go」は、強固な物語性と普遍的メッセージ、ミュージカル譲りの作曲術が結晶した一曲。映画表現とポップソングの魅力を兼ね備え、受賞歴と世界的ヒットでその価値を実証した。今日もなお、解放と自己受容の象徴として聴き継がれている。