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Seize the Day (ニュージーズ)

  • 作曲: MENKEN ALAN
#洋楽ポップス#ディズニー
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Seize the Day (ニュージーズ) - 楽譜サンプル

Seize the Day (ニュージーズ)|歌詞の意味と歴史

基本情報

「Seize the Day」は、ディズニー映画『ニュージーズ』(1992年)に収録されたアラン・メンケン作曲のアンサンブル曲。作詞はジャック・フェルドマン。新聞売りの少年たちが団結して行動を起こす決意を歌い上げる、作品屈指のクライマックス・ナンバーである。2011年のステージ版(Paper Mill Playhouse)を経て、2012年のブロードウェイ版にも受け継がれ、キャスト録音にも収録。以後、舞台上演やコンサートで定番的に取り上げられている。

歌詞のテーマと意味

タイトルが示す通り「今日をつかみ取れ」という主体的な行動への呼びかけが核。自尊心を取り戻し、恐れに屈せず仲間と声を合わせることで変化を起こすという、連帯と勇気のメッセージが貫かれる。硬質なリズムに乗る掛け声やコーラスは、個々の少年の訴えが一つの意思へ統合されていく過程を象徴。対立や不安の描写を経て、決意に至る構成が感情の高まりを生み、聴き手に「行動の一歩」を促すアンセムとして機能している。

歴史的背景

物語は1899年のニューヨークで実際に起きた「新聞売り少年のストライキ」を下敷きにする。発行元による仕入れ価格の引き上げに抗し、少年たちが抗議行動を組織した出来事は、都市労働と児童労働の問題、報道産業の権力構造を映し出した。曲はこの史実の精神を反映し、弱い立場にいる人々が交渉力を得るために団結することの正当性と、民主社会における声の重要性を鮮烈に描く。

有名な演奏・映画での使用

1992年の映画版で大規模な群舞とともに披露され、作品の象徴的場面を形成。ブロードウェイ版(2012)でも群舞のハイライトとして位置づけられ、迫力あるコーラスとタイトなリズム、アクロバティックなコレオグラフィが評判を呼んだ。舞台版キャスト録音は広く聴かれ、後年のライブ収録映像(2017年公開)でも見せ場として収められている。学校・地域劇団の上演でもコーラスの見せ所として人気が高い。

現代における評価と影響

舞台版『ニュージーズ』はトニー賞(2012)で楽曲・振付部門を受賞し、スコアの質とダンスの力強さが評価された。中でも「Seize the Day」は作品のアイデンティティを体現するアンセムとして広く認知され、合唱・吹奏楽・ミュージカル・レビューなど多様な編成で取り上げられる。社会的メッセージを備えつつ、観客のカタルシスを生むエンターテインメント性の高さが、時代を超えて支持を集める理由と言える。

まとめ

「Seize the Day」は、史実に根ざした連帯の精神を、覚えやすい旋律と躍動的なリズム、重層的なコーラスで普遍化したミュージカル・ナンバーである。映画から舞台へと受け継がれ、世代や場面を越えて歌い継がれるこの曲は、変化を恐れず行動する勇気を音楽的に可視化した、アラン・メンケンの代表的成果の一つと言える。