未来予想図II
- 作曲: 吉田 美和

未来予想図II - 楽譜サンプル
未来予想図II|歌詞の意味と歴史
基本情報
「未来予想図II」は、DREAMS COME TRUEの代表的バラード。作詞・作曲は吉田美和。初出はアルバム「LOVE GOES ON...」(1989年)収録曲で、発表後もライブ定番として愛され続けている。洗練されたメロディと温かな言葉運び、日常に寄り添う情景描写が大きな特徴で、J-POPの名曲として世代を超えて浸透している。
歌詞のテーマと意味
本作の核は、ありふれた日常に潜む約束や合図が二人の関係を確かめ合う力になるという視点だ。車のブレーキランプを五回点滅させる“愛の合図”のモチーフは、言葉に頼り切らないコミュニケーションの豊かさを象徴する。遠く離れていても、将来を共に描こうとする意思がささやかな行為に宿ることを丁寧に描写。後年に至るまで“合図”というキーワードが恋愛表現の一つとして一般化するほど、共感性の高いメッセージを持つ。
歴史的背景
1989年の発表当時、J-POPは音楽性の多様化が進み、良質なメロディと明快な物語性を備えたバラードが広く支持を得ていた。DREAMS COME TRUEはデビュー初期から確かな作曲・編曲力と歌唱で評価を高め、本曲もその流れの中でアルバム曲ながら口コミとライブパフォーマンスを通じて存在感を拡大。平成初期の空気感とリンクしつつ、時代を経ても色あせない普遍性を獲得した。
有名な演奏・映画での使用
「未来予想図II」は多数のアーティストによりカバーされ、コンサートやテレビ音楽番組でも繰り返し披露されてきた。特筆すべきは、楽曲の世界観をモチーフにした映画「未来予想図 〜ア・イ・シ・テ・ルのサイン〜」(2007年)の存在で、作品のメッセージが映像表現へと広がった事例として知られる。結婚式や卒業シーンのBGMとして選ばれる機会も多い。
現代における評価と影響
本曲は“日常の仕草が愛を伝える”という普遍的テーマにより、世代交代を経ても支持を獲得。ストリーミング時代においてもプレイリストの常連として定着し、恋愛バラードの文脈でしばしば参照される。楽曲内の“合図”の発想は広告やドラマの演出にも波及し、J-POPにおけるラブソング表現の一つの型を提示したと評価される。
まとめ
「未来予想図II」は、特別な言葉よりもさりげない行為に宿る想いを描き、J-POPバラードの金字塔となった。アルバム曲としての出自ながら、ライブ・映像・カバーを通じて長い寿命を保ち、恋愛観やコミュニケーションの象徴を生んだ意義は大きい。今なお日常に寄り添う名曲として、聴くたびに新しい気づきを与えてくれる。