アーティスト情報なし
A Whole New World (アラジン)
- 作曲: MENKEN ALAN IRWIN

A Whole New World (アラジン) - 楽譜サンプル
A Whole New World (アラジン)|歌詞の意味と歴史
基本情報
「A Whole New World」は、ディズニー映画『アラジン』(1992年公開)のために書かれたデュエット・バラード。作曲はアラン・メンケン、作詞はティム・ライス。劇中ではアラジンとジャスミンが魔法のじゅうたんに乗って歌う場面で用いられ、物語のロマンティックな核を成す。作品はアカデミー賞歌曲賞、ゴールデングローブ賞主題歌賞、グラミー賞最優秀楽曲賞を受賞し、エンドクレジットのポップ・デュエット版は米ビルボードHot 100で1位を獲得。ディズニー楽曲の代表格として世界的に知られる。
歌詞のテーマと意味
歌詞は「見たことのない新しい世界」を二人で発見していく喜びを描く。自由や信頼、対等な関係性への高まりが、掛け合いとユニゾンのコントラストで表現され、個の願いが「二人の視点」へ拡張していく過程を描写。魔法のじゅうたんの旅は、物理的な移動であると同時に、既存の価値観からの解放と新しい可能性の比喩でもある。高揚するメロディとクライマックスの転調は関係の深化を象徴し、恋の昂ぶりと世界観の広がりを同時に体感させる設計となっている。
歴史的背景
『アラジン』の音楽制作は、ディズニー・ルネサンス期の潮流の中で進行。初期楽曲の多くに関わった作詞家ハワード・アッシュマンの死去後、本曲ではティム・ライスがメンケンと組み、ロマンスを中心に据えたデュエットとして完成させた。90年代初頭のディズニーは、ブロードウェイ的文法をアニメ映画に取り入れ、物語を音楽で進める手法を確立。本曲はその理念を端的に示し、物語の転換点を音楽的クライマックスで飾る役割を果たした。
有名な演奏・映画での使用
劇中の“魔法のじゅうたん”シーンは映画全体のハイライトとして広く記憶される。エンドクレジットではポップ・デュエット版が制作され、ラジオヒットとしても成功。多言語吹替版や各国のカバーが存在し、コンサート、合唱、器楽アレンジまで幅広い形で演奏されている。ブロードウェイ版『アラジン』や世界各地の舞台版にも組み込まれ、2019年の実写映画版にも採用。映画内外での多彩なヴァージョンが普及に寄与した。
現代における評価と影響
本曲はディズニー・ソングの象徴として、世代と国境を超えるスタンダードとなった。カラオケや学校行事、SNSでのデュエット動画など再演の機会が多く、音域設計や転調、対話的フレージングはポップ作曲・編曲の教材としても扱われる。主要音楽賞の受賞は作品の普遍性を裏づけ、映画音楽がチャートとアカデミーの両面で成功し得ることを示した例としてしばしば引用される。現在も配信プラットフォームやコンサートで高い支持を保っている。
まとめ
「A Whole New World」は、恋と自由の発見を描くデュエットの名曲。物語と音楽が緊密に結びつく設計、耳に残る旋律とドラマティックな転調、そして映画・舞台・ポップスを横断する展開力が、その普遍的な価値を支えている。受賞歴とチャート実績は歴史的評価を裏づけ、今なお新しい聴衆に“世界が開ける瞬間”を提示し続ける。