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Desperado

  • 作曲: FREY GLENN LEWIS,HENLEY DON
#洋楽ポップス#カーペンターズ
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Desperado - 楽譜サンプル

Desperado|歌詞の意味と歴史

基本情報

Desperadoは、FREY GLENN LEWISとHENLEY DONの共作によるイーグルスのバラード。1973年発表の同名アルバム『Desperado』に収録され、ピアノを中心とした穏やかなテンポと温かいコーラスが特徴だ。ジャンル的にはカントリー・ロック寄りのソフトロックに位置づけられ、ロックの荒野性とシンガーソングライター的な内省性を両立。ベスト盤にも収められ、長年にわたりコンサートの重要曲として親しまれている。

歌詞のテーマと意味

タイトルにある“ならず者(Desperado)”は、西部の無法者そのものだけでなく、心を閉ざし孤独に耐える現代人の寓意でもある。語り手は、自由を掲げて感情を封じる生き方が、やがて取り返しのつかない喪失を招くと諭し、愛や他者との結びつきを受け入れる勇気を促す。華美な比喩ではなく、落ち着いた語り口で自己防衛と解放の葛藤を描き、最後まで聴き手の内面に寄り添う構成が魅力だ。

歴史的背景

本曲が収録されたアルバム『Desperado』(1973)は、西部開拓時代の無法者像をモチーフにしたコンセプト色を持ち、当時隆盛したロサンゼルス発のカントリー・ロック潮流の中で、物語性と内省を深めた作品群の核を成した。ハードなロック路線一辺倒ではなく、アメリカーナ的な語法を受け継ぎつつ、メロディ重視のバラードでバンドの表現領域を拡張した点が、後年の評価へとつながっている。

有名な演奏・映画での使用

代表的なカバーとして、リンダ・ロンシュタットが取り上げた録音が知られ、曲の認知拡大に寄与した。また、イーグルス自身のライブでも終盤を彩るハイライトとして歌われることが多く、静かな導入から大きなカタルシスへ至るダイナミクスが支持されている。映画での具体的な使用情報は情報不明だが、テレビやステージでの再演を通じて、世代を超えて歌い継がれてきた。

現代における評価と影響

Desperadoは、ピアノ主導のロック・バラードの模範例として位置づけられ、カバーや演奏教材の定番曲となっている。孤独と解放、誇りと脆さといった普遍的テーマは時代に左右されず、ストリーミング時代でも安定した人気を保つ。過度な技巧ではなく歌心と物語性で聴かせる手法は、多くのシンガーソングライターやカントリー寄りのポップ作品に影響を与え続けている。

まとめ

西部の“ならず者”を寓話化し、心の鎧を解く勇気を静かに語りかける本曲は、イーグルスの作家性を象徴する一篇である。ピアノとボーカルの呼応、控えめなアレンジ、終盤の情感の高まりまで、聴きどころは多い。1973年の誕生以来、時代ごとに新たな解釈を受け止めつつ、普遍的なメッセージで聴き手の心に届き続けている。