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For All We Know

  • 作曲: KARLIN FRED
#洋楽ポップス#カーペンターズ
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For All We Know - 楽譜サンプル

For All We Know|歌詞の意味と歴史

基本情報

「For All We Know」は作曲家Fred Karlinが手がけ、作詞はRobb RoyerとJimmy Griffin。1970年公開の映画“Lovers and Other Strangers”のために書かれ、翌年の第43回アカデミー賞で主題歌賞を受賞した。ポップ・バラードとして親しまれ、とりわけカーペンターズの録音(1971年)が世界的に知られる。彼らの穏やかなサウンドが楽曲の普遍性を引き出し、世代を超えて愛聴されるきっかけとなった。

歌詞のテーマと意味

タイトルが示す「私たちに分かるのはわずか」という慎ましい態度を軸に、出会いの喜びと未来の不確実さを静かに抱きしめる内容。永遠を強く誓うのではなく、いまここにある感情を丁寧に受けとめる等身大の愛を描く。直接的な誓いを避けながら、相手への思いやりと誠実さを浮かび上がらせる表現が多く、聴き手の人生経験に寄り添う余白が保たれている。

歴史的背景

60年代末〜70年代初頭のアメリカでは映画とポップスの接続が活発化し、叙情的なバラードが台頭。本作もその潮流の中で生まれた。カーペンターズ版はRichard Carpenterの繊細な編曲とKaren Carpenterの温かな声質が核となり、オーボエを中心とする柔らかな音色が親密さを強調。映画由来の物語性とラジオフレンドリーなポップ感が高い次元で融和した。

有名な演奏・映画での使用

初出は映画“Lovers and Other Strangers”。劇中およびエンドクレジットを彩り、作品のテーマを補強した。その後、カーペンターズのシングルとして広く普及し、ラジオやテレビ番組でも繰り返し取り上げられる。多くの歌手がカバーを発表し、コンサートや番組内のトリビュートでも定番曲として扱われるなど、国境を越えて歌い継がれている。

現代における評価と影響

派手さを抑えた言葉と静かな高揚感は、時代を超えて通用する普遍性をもつ。ストリーミング環境でも長く聴かれ、映画発の楽曲がポップスの標準曲へ定着した好例としてしばしば引用される。親密なムードを保ちながら感情のコアを伝える手法は、後続のバラード制作にも影響を与えたと評価されている。

まとめ

映画由来のバラードとして誕生し、ポップスの名曲へと広がった「For All We Know」。過度なドラマを避け、等身大の感情に寄り添う表現が長く愛される理由だ。Fred Karlinの旋律と的確な歌詞が結びつくことで、静かな説得力を備えた不朽のスタンダードとなっている。