Goodbye to Love
- 作曲: CARPENTER RICHARD LYNN, BETTIS JOHN

Goodbye to Love - 楽譜サンプル
Goodbye to Love|歌詞の意味と歴史
基本情報
Goodbye to Love は、Richard CarpenterとJohn Bettisによる共作で、カーペンターズが1972年に発表した楽曲。アルバム『A Song for You』に収録され、英語詞のボーカル曲である。アレンジはリチャードが担当し、カレン・カーペンターの端正で深みのある歌唱と、多層コーラス、そして後半で登場するトニー・ペルーソのファズ・ギターソロが大きな特徴。レーベルや初出シングルの詳細データは情報不明だが、同デュオの代表的レパートリーとして広く知られる。
歌詞のテーマと意味
タイトルが示す通り、恋愛への別れと決別の覚悟をテーマに据える。度重なる失望を経て、期待を手放し自己を守る姿勢に踏み切る心理が、内省的な語り口で描かれる。嘆きに留まらず、静かな受容へ向かう成熟した視点が印象的で、カレンの落ち着いた声質が孤独と強さの二面性を際立たせる。比喩や反復を用いた簡潔な言葉運びが、メロディの伸びやかなラインと相まって、余韻ある感情表現を生み出している(歌詞全文の引用は行わない)。
歴史的背景
発表当時のポップ・ロックは、ソフトなバラードとロック的質感の融合が模索されていた時期。リチャード・カーペンターとジョン・ベティスのソングライティングは、洗練されたハーモニーと精緻なアレンジで知られ、本作でもオーケストレーション的な鍵盤やコーラスを基調に、クライマックスでギターが劇的なコントラストを形成する。アルバム全体の抒情性と並び、本曲はデュオの音楽的レンジを象徴する一篇となった。
有名な演奏・映画での使用
トニー・ペルーソによる長尺のギターソロは、同曲の代名詞的パートとしてしばしば言及され、ギタリストからも注目を集める。カーペンターズによるテレビ出演やコンサートでの披露は広く知られるが、特定公演・放送回の詳細は情報不明。映画やドラマでの使用についても網羅的なリストは情報不明である。カバーやインスト編曲は複数存在するものの、主要版の包括的情報は情報不明。
現代における評価と影響
穏やかなバラードに歪んだエレキ・ギターソロを配した構成は、のちに「パワー・バラードの先駆」と形容されることがある。柔和なボーカル・ハーモニーとロック的ダイナミクスの共存は、ポップからAORまで幅広い作家陣に示唆を与えた。録音面でも、歌の情感を損なわずクライマックスをスケールアップさせる配器の妙が評価され、現在もプレイリストや解説記事で取り上げられる機会が多い。
まとめ
Goodbye to Love は、内省的な別れの物語に、洗練されたハーモニーと大胆なギターソロを融合させた意欲作。カレンの声の陰影、リチャードの構築的アレンジ、ベティスの簡潔な詞が結晶した一曲であり、1970年代ポップの表現可能性を拡げた作品として今なお存在感を放つ。