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I Won't Last a Day Without You
- 作曲: NICHOLS ROGER S,WILLIAMS PAUL HAMILTON

I Won't Last a Day Without You - 楽譜サンプル
I Won't Last a Day Without You|歌詞の意味と歴史
基本情報
本作はRoger Nichols作曲、Paul Williams作詞のポップ・バラード。初出は1972年で、Paul Williamsの自己録音と、カーペンターズのアルバム『A Song for You』収録で広く知られる。カーペンターズ版は1974年に米国でシングル・リリースされ、Billboard Hot 100で11位、Adult Contemporaryで1位を獲得した。温かく繊細な歌唱と洗練されたアレンジが評価され、以後この曲の決定版として認知されている。
歌詞のテーマと意味
歌詞は、孤独や不安に直面する語り手が「あなた」の存在に救いを見いだす心情を描く。日常の重圧から心を守る避難所としての愛、無条件の支えへの感謝、弱さの受容が核となる。平易な言葉運びと上昇感のあるメロディが、飾らない誠実さを強調。特定の物語に依存しない普遍的な表現が、親密なラブソングとしての共感を広げている。
歴史的背景
70年代初頭のソフトロック/シンガー・ソングライター潮流の中で誕生。ニコルズ&ウィリアムズの職人的ソングライティングは、キャッチーな旋律と洒脱なコード進行で評価を確立していた。カレン・カーペンターの深いアルトと、リチャード・カーペンター主導の端正なアレンジが普遍性を後押しし、ラジオに適した穏やかな質感でアダルト・コンテンポラリー市場の拡大にも寄与した。
有名な演奏・映画での使用
代表的な録音はカーペンターズによるスタジオ版とライヴ録音、そしてPaul Williamsのセルフカバー。その他にも多様なアーティストによるカバーは存在するが、網羅的な代表例の一覧は情報不明。映画・ドラマなど映像作品での顕著な使用例についても情報不明であり、主に録音作品としての評価が中心である。
現代における評価と影響
結婚式や記念日の定番バラードとして定着し、ストリーミング時代にも安定した再生を維持。日本でもカーペンターズの代表曲として広く親しまれ、合唱やカバー企画で取り上げられる機会が多い。誠実な語り口と柔らかなハーモニー、無理のないレンジ設定はシンガーにとっても歌いやすく、後続のポップ・バラード作法に継続的な影響を与えている。
まとめ
繊細な感情の揺らぎを、無駄のない詞と端正な旋律で描き切った名曲。時代や世代を超えて愛されるのは、誰もが抱える不安に寄り添い、支え合うことの価値を静かに伝えるからだ。カーペンターズの名唱を起点に多くの聴き手へ届き、今なお生活のそばで響き続けるスタンダードとして位置づけられる。