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Make Believe It's Your First Time
- 作曲: MORRISON ROBERT E,MORRISON BOB,WILSON JOHNNY A

Make Believe It's Your First Time - 楽譜サンプル
Make Believe It's Your First Time|歌詞の意味と歴史
基本情報
「Make Believe It's Your First Time」は、Bob MorrisonとJohnny Wilsonによる楽曲。穏やかなポップ・バラードに分類される。初出の正確な年や初録音の詳細は情報不明だが、Bobby Vintonによる録音が早い段階のバージョンとして知られている。広く知られるきっかけとなったのは、カーペンターズが遺作アルバム「Voice of the Heart」(1983年)で発表し、シングル・リリースしたこと。さらにKaren Carpenterのソロ・セッション(プロデュース:Phil Ramone)でも別アレンジのテイクが残され、作品の奥行きを示す資料となっている。
歌詞のテーマと意味
タイトルの通り、愛する二人が「初めて」の気持ちを装うことで、揺らいだ関係をやさしく立て直そうとする内容。語り手は相手に無理を強いず、ためらいと希望のあいだで静かに歩み寄る。身体的な親密さを連想させる表現はあるが、核心は安心と信頼の再確認にあり、成熟したカップルの感情を繊細に描く。メロディは低音域から丁寧に立ち上がり、サビで柔らかく開く構成で、言葉の余韻を損なわないテンポ設定が情感を支える。
歴史的背景
1970年代後半から80年代初頭にかけての米国アダルト・コンテンポラリーの文脈で生まれたバラードで、ストリングスやエレピを活かした温かな音像が特徴。カーペンターズ版はリチャード・カーペンターのアレンジにより、コーラス・ワークと管弦のレイヤーが加わり、悲哀と慰撫が同居する響きを獲得した。一方、Karenのソロ版はより親密でスタジオ・ライクな質感が際立ち、同一楽曲の異なる解釈として比較対象になる。
有名な演奏・映画での使用
代表的録音としてはBobby Vinton、カーペンターズ、Karen Carpenterソロ・テイクが挙げられる。映画やテレビドラマでの顕著な使用例は情報不明。
現代における評価と影響
本曲はカーペンターズ後期を象徴する一編として、Karenのヴォーカル表現の円熟を語る際に頻繁に引き合いに出される。結婚式やアニバーサリーなどの親密な場面に合う選曲としても支持があり、カヴァーやリサイタルのレパートリーに取り上げられるケースがあるが、網羅的な記録は情報不明。感情を過度に煽らない書法は現在のシンガーにも参照されている。
まとめ
シンプルな言葉と穏やかな旋律で、関係修復のための優しい儀式を描いたバラード。作者Bob MorrisonとJohnny Wilsonの職人的ソングクラフトが、カーペンターズの表現によって広く知られるに至り、今なお静かな共感を呼び続けている。