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バンバン

いちご白書をもう一度

  • 作曲: 荒井 由実
#松任谷由実#歌謡曲#邦楽ポップス
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いちご白書をもう一度 - 楽譜サンプル

いちご白書をもう一度|歌詞の意味と歴史

基本情報

「いちご白書をもう一度」は、作詞・作曲:荒井由実の提供曲で、1975年にフォークデュオ・バンバンがシングルとして発表。やわらかなフォーク・ポップの肌触りと口ずさみやすいサビが魅力。タイトルは1970年の米映画『いちご白書』に由来するが、本曲はその主題歌ではない。青春の追憶を個人史として描いたスタンダードとして知られる。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、大学時代の仲間や活動に熱中した季節を背景に、すれ違い別れた恋人を大人の視点で振り返る。理想と現実の隔たり、言えなかった一言への悔い、キャンパスの情景が切なさを増幅させる。“白書”は青春の記録という比喩として働き、個人の記憶と時代の記憶が重なり合う構図をつくり、単なる懐旧に終わらない余韻を残す。

歴史的背景

1960年代末から70年代初頭にかけ学生運動が高まり、日本の大学でも占拠やデモが相次いだ。1970年の映画『いちご白書』はその空気を象徴し、日本の若者文化に影響を与えた。1975年の本作は、運動が沈静化したのちの“振り返り”の感覚を、穏やかな語り口と叙情性で結晶化した楽曲といえる。

有名な演奏・映画での使用

オリジナルはバンバンのシングルとして広く親しまれている。カバーや著名な録音の網羅情報は情報不明。タイトルの由来となった映画『いちご白書』の主題歌ではなく、当該映画との公式なタイアップ使用についても情報不明である。

現代における評価と影響

現在も、青春や学生時代を回想する文脈でしばしば取り上げられ、フォーク・ポップの定番として定着。個人の恋愛記憶と社会の記憶を重ねる語りは、後年のJ-POPにも通じる作法として評価される。配信時代にも聴き継がれ、世代を超えて共感を呼ぶ普遍的なノスタルジーを備えた一曲である。

まとめ

恋と時代を重ね合わせた視点が光る、1975年の空気を封じた名曲。映画タイトルの象徴性を借りつつ、誰もが自分の“白書”として読み解ける普遍性を持つ。初めて聴く人にも、当時を知る人にも、静かな余韻で響くスタンダードだ。