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Up Where We Belong(愛と青春の旅立ち)
- 作曲: NITZSCHE JACK,SAINTE MARIE BUFFY

Up Where We Belong(愛と青春の旅立ち) - 楽譜サンプル
Up Where We Belong(愛と青春の旅立ち)|歌詞の意味と歴史
基本情報
1982年公開の映画『愛と青春の旅立ち』主題歌として発表されたデュエット・バラード。作曲はジャック・ニッチェ/バフィー・セント=メリー、作詞はウィル・ジェニングス。ジョー・コッカー&ジェニファー・ウォーンズ歌唱で全米Billboard Hot 100の1位を獲得。翌年のアカデミー賞・ゴールデングローブ賞で歌曲賞、グラミー賞では最優秀ポップ・パフォーマンス(デュオ/グループ)を受賞するなど高い評価を得た。
歌詞のテーマと意味
歌詞は、現実の重圧や孤独を越え、二人の愛が“高み”へ導くという普遍的モチーフを描く。上昇という比喩は精神的解放と成熟を象徴し、映画の物語とも響き合う。男女デュエットの掛け合いは支え合いと決意を強調し、力強いコーラスが高揚感を生む。固有名詞に依存しない抽象度の高さが、聴き手の多様な人生経験に重ねやすい普遍性をもたらしている。
歴史的背景
80年代初頭は映画音楽とポップスの接近が進んだ時期。本曲はその潮流の中で主題歌として企画され、ストリングスとシンセを軸にした重厚なアレンジと段階的なクレッシェンドで物語のカタルシスを支えた。1982年のリリース後、全米1位を含む国際的ヒットとなり、映画主題歌とポップ・チャートの結節点を象徴する存在になった。
有名な演奏・映画での使用
最も象徴的なのは映画ラストシーンでの使用で、達成と解放の感情を決定づけた。オリジナルのコッカー&ウォーンズ版が標準的演奏として定着し、その後も複数のカバーやテレビ/ステージでの歌唱が行われている。祝祭や門出の映像と相性の良い楽曲として、記念的な場面で選ばれる機会が多い。
現代における評価と影響
今日では、1980年代を代表する映画主題歌かつデュエット・バラードの定番としてしばしば言及される。作曲陣(ニッチェ/セント=メリー)と作詞家ジェニングスの協業は、映画とポップスの架橋の成功例として評価が高い。荘厳なストリングスと力強いビート、上昇感の設計は、のちの映画系パワー・バラードに明確な影響を与えた。
まとめ
『Up Where We Belong』は、映画の感動を増幅しつつ、独立したポップソングとしても完成度を備える稀有な一曲である。上昇のメタファーと二人の声の融合が、時代と国境を越えて聴き継がれる理由であり、現在も多くのリスナーに新たな出発の勇気を与え続けている。