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Heart Of Gold
- 作曲: YOUNG NEIL

Heart Of Gold - 楽譜サンプル
Heart Of Gold|歌詞の意味と歴史
基本情報
「Heart Of Gold」は、カナダ出身のシンガーソングライター、ニール・ヤングが1972年に発表した楽曲。アルバム『Harvest』収録で、同年シングルが全米ビルボードHot 100で1位を獲得した彼の最大のヒットである。アコースティック・ギターとハーモニカを軸に、柔らかなバッキングと素朴な歌声が特徴。コーラスにはジェイムズ・テイラーとリンダ・ロンシュタットが参加し、温かく包み込む響きを加えている。
歌詞のテーマと意味
タイトルが示す“金の心”は、名声や喧騒のなかでも失われない純粋さ・誠実さの比喩。語り手はそれを求め続ける巡礼者のように自省を重ね、都会と旅路のイメージを往復しながら、自分自身の本質に触れようとする。短い言葉の反復が切迫感を生み、ハーモニカの合いの手が孤独と希望の間を行き来する心象を補強。具体的な物語を語りすぎないため、聴き手が自らの経験を投影できる開放性が高い。
歴史的背景
録音は1971年、ナッシュビルのセッションで行われた。ヤングは当時の背中の不調もあり、ラウドなエレクトリック路線からアコースティック寄りへと舵を切っていた。プロデューサーのエリオット・メイザーのもと、余白を生かすアレンジと穏やかなテンポが追求され、『Harvest』の音像を象徴する一曲に。初期70年代に隆盛したシンガー・ソングライター潮流とも呼応し、幅広い層に受け入れられた。
有名な演奏・映画での使用
発表以降、コンサートの定番曲として演奏され続け、時期によりテンポや楽器編成のニュアンスが変化するのも聴きどころ。ジョナサン・デミ監督のコンサート映画『Neil Young: Heart of Gold』(2006)では、本曲のパフォーマンスが中心的に記録され、楽曲の静謐な魅力が映像で捉えられた。その他の具体的な映画・ドラマでの使用事例は情報不明。
現代における評価と影響
フォーク/カントリー・ロックの象徴的名曲として、各種オールタイム・ランキングにしばしば登場。シンプルなコード進行と覚えやすいメロディは多くのアーティストにカバーされ、アコースティック表現の規範となった。配信時代においても高い再生数を維持し、時代や世代を超えて“素朴さの力”と誠実さへの希求を伝え続けている。
まとめ
「Heart Of Gold」は、静かな編成と普遍的な言葉で、自己探求と誠実さへの渇望を結晶化した楽曲である。制作背景、当時の潮流、そしてライヴでの息の長い支持が相まって、ニール・ヤングのアイコン的存在となった。初めて触れる人はアルバム『Harvest』全体と併せて聴くことで、作品世界の文脈と本曲の位置づけがより立体的に理解できるだろう。