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Too-Ra-Loo-Ra-Loo-Ral (アイルランドの子守唄)

  • 作曲: SHANNON JAMES ROYCE
#洋楽ポップス
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Too-Ra-Loo-Ra-Loo-Ral (アイルランドの子守唄) - 楽譜サンプル

Too-Ra-Loo-Ra-Loo-Ral (アイルランドの子守唄)|歌詞の意味と歴史

基本情報

『Too-Ra-Loo-Ra-Loo-Ral(アイルランドの子守唄)』は、作曲家ジェームズ・ロイス・シャノン(James Royce Shannon)が1913年に発表した英語の子守歌。原題は“Too-Ra-Loo-Ra-Loo-Ral (That's an Irish Lullaby)”。伝統的な民謡ではなく、アイルランド情緒を湛えたアメリカ発の流行歌として広まった。現在も家庭や教育現場で親しまれ、世代を超えて歌い継がれている。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、母親が幼子をあやしながら、故郷や家族への愛情を静かに語りかける内容。印象的な「Too-ra-loo-ra-loo-ral」という擬音的なフレーズは、言語の壁を越えて心を落ち着かせるハミングとして機能し、旋律と相まって安らぎを誘う。派手な展開はなく、親密な時間を包み込むような優しさが核となっている。

歴史的背景

20世紀初頭のアメリカでは、ティン・パン・アレーを中心にアイルランド系移民の郷愁をくすぐる歌が多数生まれた。本作もその流れの中で誕生し、家庭の団欒や寄り合いで歌われるうちに広範に浸透。印刷楽譜や初期録音の普及が追い風となり、アイルランド系コミュニティのみならず一般大衆にも受け入れられた。

有名な演奏・映画での使用

特に知られるのは、1944年の映画『我が道を往く(Going My Way)』でのビング・クロスビーの歌唱。温かな声と抑制の効いた伴奏が楽曲の本質を引き出し、戦時下の聴衆にも慰めをもたらした。ほかにも早い時期からテナー歌手の録音が残され、以後も多くの歌手がカバーしてスタンダードとしての地位を固めた。

現代における評価と影響

現在でも就寝前のレパートリーや、セント・パトリックス・デーのイベント、合唱・声楽の教材として定番化。歌詞の具体的描写よりも母のまなざしと郷愁を象徴する抽象度が高く、世代や文化を越えて感情移入しやすい。シンプルな旋律はキーやテンポの自由度が高く、家庭でも舞台でも扱いやすい点が支持される。

まとめ

『Too-Ra-Loo-Ra-Loo-Ral』は、アイリッシュ・テイストの旋律と素朴なハミングが結びついた子守歌の名品。1913年の誕生以来、映画での再評価を経て今も歌い継がれている。過度な技巧よりも温度感を大切に、聴く人それぞれの“故郷の記憶”を呼び起こす一曲と言える。