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I Wanna Be Loved By You

  • 作曲: RUBY HARRY,STOTHART HERBERT
#洋楽ポップス#スタンダードジャズ
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I Wanna Be Loved By You - 楽譜サンプル

I Wanna Be Loved By You|楽曲の特徴と歴史

基本情報

I Wanna Be Loved By Youは、作曲ハリー・ルビーとハーバート・ストサート、作詞バート・カルマーによる1928年の楽曲。ブロードウェイ・ミュージカル『Good Boy』で紹介され、のちにポピュラー/ジャズ・スタンダードとして広く知られるようになった。特定の調や決定版テンポは存在せず、演者によりキーやテンポが調整されるのが一般的。歌詞を伴う楽曲で、軽妙で愛らしいキャラクター性を持つ表現が求められる。

音楽的特徴と演奏スタイル

当時のポピュラー・ソングに典型的な整った構成に、印象的で親しみやすい旋律が乗る。リズムはスウィング/ツー・フィーリングにも馴染み、ブラシを用いた軽快な伴奏や、小編成コンボからビッグバンドまで幅広い編成に対応可能。ボーカルはチャーミングなニュアンスと語り口が重要で、細かな間の取り方や、韻を踏む言葉遊びを活かすと楽曲の魅力が引き立つ。インストゥルメンタル化する場合も、メロディの可憐さを前面に出すアレンジが定番となっている。

歴史的背景

1920年代後半、ティン・パン・アレーの歌曲が舞台やレビューを通じて流行し、映画・レコード産業の発展が名曲の拡散を後押しした時期に誕生。ハリー・ルビーとバート・カルマーは当時の人気作家コンビとして知られ、ハーバート・ストサートはのちに映画音楽でも名を残す。『Good Boy』での成功を足がかりに、この曲はレビューやナイトクラブで取り上げられ、時代のモダンで洒脱なムードと結びついて定着していった。

有名な演奏・録音

初期の代表的歌唱には、1928年前後に注目を集めたヘレン・ケインがある。さらに1959年の映画『お熱いのがお好き(Some Like It Hot)』でのマリリン・モンローによる歌唱は、世界的なアイコンとして楽曲の知名度を決定づけた。その後も多数のジャズ歌手がレパートリーに採用し、コンボ編成でのスウィング・バージョンや、やや遅いテンポでニュアンスを強調する解釈など、多様な録音が残されている。

現代における評価と影響

I Wanna Be Loved By Youは、ヴィンテージな魅力と遊び心のある表現が共存する曲として、現在もジャズ・ボーカルの定番。ライブやレビュー、公演の雰囲気作りに効果的で、時代性を喚起する選曲として重宝される。教育現場でも、英語の発音とフレージング、ダイナミクスのコントロールを学ぶ教材として扱われることがある。メディアで引用される際も、華やかでキュートなイメージを象徴する楽曲として機能している。

まとめ

1928年生まれのI Wanna Be Loved By Youは、舞台発のポピュラー曲からジャズ・スタンダードへと発展した代表例。愛嬌あるメロディと軽やかなリズムは、時代を超えて解釈の幅を与え続ける。ヘレン・ケインの初期歌唱とモンローの映画での印象的なパフォーマンスは、楽曲の存在感を確立し、今日まで多くの歌手・演奏家に受け継がれている。