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Halleluja I Love Him (Her) So

  • 作曲: CHARLES RAY
#洋楽ポップス
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Halleluja I Love Him (Her) So - 楽譜サンプル

Halleluja I Love Him (Her) So|歌詞の意味と歴史

基本情報

Ray Charlesが作詞作曲し1956年にAtlantic Recordsから発表したR&Bナンバー。原題は多くの資料で“Hallelujah I Love Her So”だが、女性歌手などが歌う際は“Him”とする慣例があり、本稿の表記はその併記形を採用。ゴスペルの熱量を世俗の恋愛歌に持ち込んだ彼の代表曲のひとつで、のちのソウル誕生を告げる重要曲として広く知られる。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、日常のささやかな助けや合図を通じて相手の愛を確信する一人称の告白。宗教的歓喜を想起させる感嘆詞「ハレルヤ」を世俗的恋愛に重ね、信頼・献身・共同体感覚を力強く讃える。性別代名詞は歌い手に合わせて変わり、普遍的な愛の歌として機能する点が特徴。具体的なストーリー以上に、反復と呼応で高揚感を築く作法が核になっている。

歴史的背景

1950年代半ば、チャールズはゴスペルのコール&レスポンス、シャッフル感、ブラス・リフをR&Bの12小節形式に融合する独自路線を確立。本作はそのエッセンスが凝縮され、ピアノの強靭なバックビート、ストップタイムのブレイク、ホーンとの掛け合いが聴きどころ。教会音楽の語法をダンスフロアへ持ち出したことで、R&Bからソウルへの橋渡し役となった。初出年は1956年。

有名な演奏・映画での使用

レイ・チャールズのオリジナル録音はR&B界でヒットを記録。以後、ペギー・リーやエラ・フィッツジェラルドは“Him”版で取り上げ、ジャズ/ポップ両領域で定番化。ビートルズも結成初期からレパートリーにし、後年公式音源化された演奏が知られる。ロカビリーのエディ・コクランもカバーし、ジャンル横断的な広がりを示した。映画・ドラマでの使用については情報不明。

現代における評価と影響

今日ではジャズ・バーやR&B系のステージで頻繁に演奏され、セッションでも通用する“共通語”の一曲。ゴスペル由来の高揚感とシンプルなブルース進行が、歌唱者の表現力やアドリブの妙を引き出す教材としてもしばしば用いられる。性別に応じて歌詞を即応できる柔軟性も、現場で愛され続ける理由のひとつである。

まとめ

ゴスペルの情熱、R&Bの躍動、そして普遍的な恋の歓びを3分足らずに凝縮した名曲。初期ソウルの起点として、またカバー映えするスタンダードとして、今後も歌い継がれていくだろう。