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I Write The Songs

  • 作曲: JOHNSTON BRUCE ARTHUR
#洋楽ポップス
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I Write The Songs - 楽譜サンプル

I Write The Songs|歌詞の意味と歴史

基本情報

「I Write The Songs」は、ザ・ビーチ・ボーイズのメンバーとして知られるブルース・ジョンストンが1975年に書いたポップ・バラード。最初期の録音はキャプテン&テニールの同年作に収められ、バリー・マニロウがアルバム『Tryin’ to Get the Feeling』で取り上げ、1976年に全米ビルボードHot 100で首位を獲得して世界的に知られた。作詞・作曲はいずれもジョンストンによる。

歌詞のテーマと意味

タイトルは「私が歌を書いている」と直訳できるが、主人公は特定の歌手ではなく“音楽そのもの”を擬人化した存在と解される。音楽が世代や時代を超えて人々を励まし、作り手や歌い手を通じて生命を得るという普遍的な主題を掲げ、自己賛美曲との誤解を避ける意図が込められている点が特徴だ。作家の視点から、創造の源泉が個人ではなく普遍的な「歌の力」にあることを高らかに宣言している。

歴史的背景

制作背景として、ジョンストンはソングライターへの敬意とポピュラー音楽の力を讃える目的で本曲を書いた。1970年代半ばのアメリカン・ポップ/アダルト・コンテンポラリーの隆盛と呼応し、ピアノ主体のアレンジと包容力のあるメロディが台頭。マニロウの代表曲の一つとして定着し、ラジオ時代の大衆的アンセムとなった。初録音の系譜にはキャプテン&テニール、続いてデヴィッド・キャシディの発表も位置づけられる。

有名な演奏・映画での使用

有名な演奏としては、バリー・マニロウのスタジオ版と各種ライヴ録音が定番。キャプテン&テニールのアルバム収録版、デヴィッド・キャシディによるシングル版も知られる。映画やドラマでの顕著な使用例は情報不明だが、テレビ番組やコンサートでのカバーは継続的に行われ、ポップ・スタンダード的な存在感を保っている。

現代における評価と影響

今日では、ソングライターの創造性と“歌の力”を象徴する楽曲として語られることが多い。英語圏を中心にカバーが重ねられ、合唱や学校公演、ショウケースでも親しまれる。誤読されがちなタイトルをきっかけに、著作者と歌い手の役割の違いを学ぶ教材的な位置づけでも触れられることがある。サビの覚えやすさと起伏のあるダイナミクスは、世代を超えた支持の理由となっている。

まとめ

本曲は、作り手の自己顕示ではなく、音楽が人々を結び付ける源泉であるという信念を歌い上げたポップ名曲である。1975年の誕生から半世紀近く、世代を超えて歌われ続ける理由は、その普遍的メッセージと記憶に残るメロディにあると言える。バリー・マニロウ版の成功を起点に、今もなお多くの場で演奏されるスタンダードとして生き続けている。