トワ・エ・モワ
虹と雪のバラード
- 作曲: 村井 邦彦

虹と雪のバラード - 楽譜サンプル
虹と雪のバラード|歌詞の意味と歴史
基本情報
「虹と雪のバラード」は、村井邦彦が作曲し、岩谷時子が作詞した日本のポップス。トワ・エ・モワの歌唱で広く知られ、1972年札幌オリンピックのテーマ曲として国民的に浸透した。透明感のあるメロディと端正なハーモニーが特徴で、冬の情景を普遍的な希望へ結びつける表現が評価されている。
歌詞のテーマと意味
歌詞は、雪原や澄んだ空気など北国の自然描写を起点に、困難の中にあっても未来を信じ合う心、互いを讃えるスポーツマンシップ、都市の躍動と人の連帯を描く。タイトルの“虹”は希望と架け橋、“雪”は厳しさと清潔さを象徴し、対照の中から調和を見出すメッセージが読み取れる。具体的な固有名詞に依存しすぎず、世代や地域を越えて共感される普遍性を備える。
歴史的背景
この曲が世に出た背景には、日本初の冬季五輪である札幌大会の開催がある。高度経済成長期の終盤にあたり、国際都市としての札幌の姿を国内外に印象づける必要があった。楽曲はそのイメージ形成に寄与し、テレビ放送や関連イベントを通じて広範に流布。スポーツと音楽の結びつきが視聴体験を高めた。
有名な演奏・映画での使用
最もよく知られるのはトワ・エ・モワによるオリジナル歌唱で、洗練されたコーラスワークが楽曲の品格を決定づけた。札幌オリンピック関連の式典・番組で繰り返し使用され、のちの記念企画でも取り上げられることがある。アレンジ違いの演奏も複数存在するが、詳細な網羅情報は情報不明。
現代における評価と影響
現在でも冬や北海道、ウィンタースポーツを想起させる楽曲として言及される機会が多い。過度な時代性に寄らない旋律と構成は、合唱や管弦楽風アレンジなど多様な解釈に耐える。スポーツの祭典がもたらす連帯や希望のイメージを端的に伝える曲として、放送・イベントのBGM文脈でも活用され続けている。
まとめ
札幌五輪の象徴曲として誕生した「虹と雪のバラード」は、雪の厳しさと虹の希望を対置しながら、人と街、そしてスポーツが結ぶ絆を音楽に昇華した。明確なメロディと気品あるハーモニーは今なお色褪せず、季節や世代を越えて聴かれるスタンダードとして位置づけられる。