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アーティスト情報なし

Lovin' You

  • 作曲: RIPERTON MINNIE, RUDOLPH RICHARD J
#洋楽ポップス
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Lovin' You - 楽譜サンプル

Lovin' You|歌詞の意味と歴史

基本情報

1974年のアルバム『Perfect Angel』に収録され、翌年シングル化。作曲はMinnie RipertonとRichard Rudolph。Stevie Wonder(El Toro Negro名義)が共同プロデュースし、極めてミニマルな伴奏と、リパートンの広大な音域、とりわけホイッスル・レジスターが特徴。全米チャートで1位を獲得した代表曲。鳥のさえずりを取り入れたサウンド・デザインも象徴的で、静謐な美しさを強調している。

歌詞のテーマと意味

日常の穏やかな時間と、恋人への純粋な愛情を静かに描くバラード。騒がしい装飾を排し、繰り返しのフレーズと無垢なハミングで「安心」と「親密さ」を醸成する。娘Mayaへの子守歌として生まれた経緯が、優しい語り口と家庭的な温度感を支えている点も重要。言葉数を抑え、声の質感そのものを情景描写に転化することで、聴き手の記憶や体験に寄り添う普遍性を得ている。歌詞全文は非掲載。

歴史的背景

70年代半ば、ソウル/ポップは豊潤で密度の高いアレンジが主流だったが、本曲はあえて小編成とスロー・テンポで対照を成した。家庭的な発想から生まれたアイデアをスタジオで磨き、声のダイナミクスを中心に据えたことで、ラジオ時代に普遍的な魅力を放つスロウ・バラードの金字塔となった。スティーヴィー・ワンダー周辺のクリエイティブな環境が制作面の質を支え、世界的ヒットへと結実した。

有名な演奏・映画での使用

決定版はオリジナル録音。テレビ等でのライヴ歌唱も映像が残るが、具体的な番組名は情報不明。カバーは各国で制作され、Shaniceによる1990年代のカバーなどが知られる。映画・ドラマ・CMでの具体的な使用作品名は情報不明。いずれにせよ、透明感ある歌唱とシンプルな伴奏は、媒体を問わず親和性が高く、再演・再評価の対象となり続けている。

現代における評価と影響

ホイッスル・レジスターの代表曲として、ボーカル表現の到達点に位置づけられる。多くのシンガーが影響源として言及することがあり、ポップ/R&Bの歌唱美学に長く参照されてきた。ストリーミング時代にも継続的に聴かれ、記念日の選曲やラブ・バラードのプレイリストの定番として定着。簡素な編成がもたらす開放感と、声の抑制/解放のコントラストは、現在のベッドルーム・ポップにも通じる。

まとめ

Lovin' Youは、簡素な伴奏と極上の声だけで世界を成立させた稀有なバラードである。家庭的な制作背景、誠実な言葉、歴史的成功が一体となり、時代を超えて聴き手の親密な感情に触れる。歌の核心を「声」に取り戻すことで、ポップ・ミュージックの普遍的な価値を提示し続ける不朽の名曲と言える。