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The Big Country (大いなる西部)

  • 作曲: MOROSS JEROME
#洋楽ポップス#映画音楽
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The Big Country (大いなる西部) - 楽譜サンプル

「The Big Country (大いなる西部)|作品の特徴と歴史」

基本情報

『The Big Country(大いなる西部)』は、ジェローム・モロスが1958年に映画のために作曲したオーケストラ作品。主題は歌詞を持たないインストゥルメンタルで、作詞者は情報不明。広大なアメリカ西部を描く同名映画のスコアの中核をなし、特にメイン・タイトルとして知られる。編成や出版情報の詳細は情報不明だが、一般にフルオーケストラで演奏される。

音楽的特徴と表現

旋律は大きな跳躍と明快なフレージングを特徴とし、晴朗で伸びやかなラインが西部の雄大さを喚起する。弦のオスティナートとブラスのファンファーレ風の書法、軽快な三拍系の推進力、打楽器の明瞭なアクセントが相まって、疾走感と開放感を両立。過度なロマン化を避けつつも、郷土的な色彩を帯びた和声運びで人間ドラマの厚みを支える構築が印象的である。

歴史的背景

1950年代後半のハリウッドでは、ワイドスクリーンと大規模編成のスコアが西部劇の定型を形作っていた。モロスは舞台音楽や映画音楽で活動し、アメリカ的風土感を音で描く手腕で評価を得た。本作はその文脈の中で、風景描写と人物対立を音楽的に結びつける作例として位置づけられる。賞歴や初演時の詳細記録は情報不明だが、公開当時から主題の印象強さで注目を集めた。

使用された映画・舞台(該当時)

音楽は映画『The Big Country』(1958年、監督ウィリアム・ワイラー、主演グレゴリー・ペックほか)のために書かれ、開巻のメイン・タイトルや広野を捉えたパノラマ場面、騎乗や移動のシークエンスなどで主題が再帰的に用いられる。台詞の少ない場面では音楽が物語のテンポを規定し、地域共同体の価値観や個人の矜持といった主題の輪郭を補強している。

現代における評価と影響

今日では西部劇を象徴する映画音楽のひとつとしてしばしば紹介され、コンサート用組曲や再録音でも取り上げられることがある。開放的なテーマと明快なリズム語法は、後年の西部劇スコアに見られる作風と親和性が高く、ジャンルの定番イメージに寄与した点が評価される。音源のディスコグラフィーや詳細な版面情報は情報不明だが、楽曲自体の知名度は現在も高い。

まとめ

『The Big Country』は、歌詞を持たない主題音楽として、風景とドラマを一本の旋律に凝縮した名作である。機能的なリズム設計と開放的な和声、美しいメロディが映画のスケール感を支え、単独で聴いても鮮烈な印象を残す。映画と音楽が相互に高め合う、クラシックな西部劇スコアの好例と言えるだろう。