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I Will Always Love You (ボディガード)
- 作曲: PARTON DOLLY

I Will Always Love You (ボディガード) - 楽譜サンプル
I Will Always Love You (ボディガード)|歌詞の意味と歴史
基本情報
本曲はドリー・パートンが1974年に発表したカントリー・バラードで、1992年の映画『ボディガード』でホイットニー・ヒューストンが歌い世界的定番となった。穏やかなテンポと大きなダイナミクスを持つ別れの歌で、カントリー由来の旋律美に加え、ポップ/R&B文脈でも広く親しまれる。原曲・カバーともにボーカルの表現力が要となる作品である。
歌詞のテーマと意味
歌詞は、関係の終わりを受け入れつつ、相手の幸福を心から願う成熟した愛を語る。執着や非難ではなく、感謝と敬意を軸に“見送る愛”を描く点が核心で、別離の痛みと尊重が同居する。具体的な状況説明を最小限にとどめる普遍的な言葉遣いが、聴き手各自の体験に重なりやすく、人生の節目—旅立ち・別れ・追悼—など幅広い場面で受け入れられてきた。
歴史的背景
パートンは長年の音楽的パートナー、ポーター・ワゴナーとの別離を前に本曲を執筆。1974年に全米カントリー1位を獲得し、作家性と歌唱で高い評価を確立した。1982年には映画『The Best Little Whorehouse in Texas』のために再録し、再びカントリー1位を記録。1992年、映画『ボディガード』でヒューストンが取り上げたことで、ジャンルを越えて世界的に再評価された。
有名な演奏・映画での使用
最も知られるのはヒューストン版。デヴィッド・フォスターの編曲でアカペラ導入から壮大に展開し、終盤の転調が感情の頂点を形作る。全米ビルボードHot 100で14週1位の歴代級記録を樹立し、各国でチャートを席巻。映画『ボディガード』の象徴的楽曲として、劇中のドラマを決定づける存在感を放った。原曲の静謐さと対照的な劇的解釈が、多くのリスナーを惹きつけた。
現代における評価と影響
ヒューストン版は史上屈指の売上を誇り、1994年グラミー賞で最優秀レコードおよび最優秀女性ポップ・ヴォーカルを受賞。サウンドトラックも最優秀アルバムを獲得した。以後、ポップ、ソウル、クラシカル・クロスオーバーまで多様なカバーが生まれ、式典や卒業、追悼の定番曲として定着。原曲とカバーの双方が独立した評価を持つ稀有なスタンダードとなっている。
まとめ
『I Will Always Love You』は、パートンの静かな別れの詩が映画を通じて世界的アンセムへ拡張された例であり、作曲・作詞・歌唱解釈の力を示す代表作である。原曲の誠実さとヒューストン版のスケール感という二つの金字塔が、時代を超えて愛と敬意のメッセージを伝え続けている。