アーティスト情報なし

Wake Up Little Susie　(おきろよスージー)

#洋楽ポップス

Wake Up Little Susie　(おきろよスージー) - 楽譜サンプル

「Wake Up Little Susie（おきろよスージー）」は、ブライアント夫妻作、エヴァリー・ブラザーズが1957年にCadenceから発表したロックンロールの代表曲。精密なツイン・ハーモニーと跳ねるビートが魅力で、同年の全米チャートで首位を獲得し、デュオの看板曲として定着した。

歌詞は、ドライブインで映画観賞中に居眠りした10代のカップルが深夜に目覚め、評判を気にして慌てる物語。露骨さはなく、保守的規範の下での気まずさとユーモアを描く。繰り返される「起きて、スージー」という呼びかけが、物語の緊迫と可笑しみを同時に増幅する。

1950年代末の米国ではティーン文化が拡大する一方、道徳的反発も強かった。本作はその緊張関係を捉え、一部地域で放送禁止になる騒動も生んだが、勢いは衰えず大ヒット。エヴァリー・ブラザーズのロックンロールとカントリーの架橋を象徴する一曲となった。

最も著名なのはオリジナル盤だが、デュオ・ハーモニーの教科書として多くの歌手に継がれた。サイモン＆ガーファンクルは1981年『セントラル・パーク・コンサート』で披露。映画やドラマでの使用例もあるが、代表的な作品名は情報不明。

二部ハーモニー、カントリー由来のコード進行、歯切れ良いリズムは、その後のフォーク・ロックやカントリー・ロック、パワー・ポップに波及。若者の日常を短編小説のように切り取る語り口は、ポップ・ソングの定型として今も参照されている。

軽快なサウンドに、時代の価値観とユーモアを織り込んだ古典。ブライアント夫妻の職人芸とエヴァリーのハーモニーが結晶化し、世代を越えて歌い継がれる理由がここにある。歌詞全文は割愛し、公式資料の参照を推奨する。