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Johnny Remember Me (霧の中のジョニー)

  • 作曲: GODDARD GEOFFREY
#洋楽ポップス
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Johnny Remember Me (霧の中のジョニー) - 楽譜サンプル

Johnny Remember Me (霧の中のジョニー)|歌詞の意味と歴史

基本情報

1961年発表のイギリス発ポップ・ソング。作曲・作詞はGeoffrey Goddard(GODDARD GEOFFREY)、オリジナル歌唱はJohn Leyton。プロデュースはジョー・ミークで、特徴的なエコー処理と幽玄なコーラスが話題となり、全英シングル・チャートで首位を獲得した。日本語題は「霧の中のジョニー」。

歌詞のテーマと意味

物語は、若くして亡くなった恋人の面影に取り憑かれた語り手が、風のざわめきや霧の情景に彼女の呼び声を聴くという設定。喪失と記憶、忘れまいとする誓いが核で、ロマンティックでありながら背筋の寒くなるゴシックな語り口が印象的。比喩表現と環境音の描写が、超自然的体験と心理的リアリズムを結びつけている。

歴史的背景

50年代末〜60年代初頭に流行した“ティーンエイジ・トラジェディ”系譜に連なるが、本曲は宅録的環境での大胆な多重録音やテープ・エコーを駆使したジョー・ミークの独創により、同時代のポップから一歩抜けた音響世界を実現。俳優としても活動していたレイトンのスター性と相まって、英国発の異形のヒットとして注目を集めた。

有名な演奏・映画での使用

決定版はジョン・レイトンによるオリジナル録音。女性の亡霊を想起させるコーラスの担当者名は情報不明。以降も複数のアーティストが取り上げているが、網羅的な一覧は情報不明。映画での直接的な使用についても情報不明。ただし、プロデューサーの生涯を描いた映画『テルスター』では、ミーク作品の一例として本曲が題材の一つとして言及されることがある。

現代における評価と影響

今日では、幽霊譚を思わせる歌詞世界と、過激な残響処理を前面に出したプロダクションの融合が高く評価される。先鋭的な音作りは後年のサイケデリック、ゴシック・ポップ、インディーの“ホーンテッド”な美学にも通じ、60年代英国ポップの特異点として音楽史的に参照され続けている。

まとめ

Johnny Remember Meは、喪失のロマンスをポップの枠内で幽玄に昇華した一曲。Geoffrey Goddardの端的なソングライティングとジョー・ミークの革新、John Leytonの端正な歌唱が相互に補完し、時代を超えて聴き手の記憶に刻まれる。入門にも再発見にも値する英国ポップの古典である。