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The Greatest Love Of All
- 作曲: MASSER MICHAEL, CREED LINDA

The Greatest Love Of All - 楽譜サンプル
The Greatest Love Of All|歌詞の意味と歴史
基本情報
The Greatest Love Of All は、作曲マイケル・マッサー、作詞リンダ・クリードによるポップ・バラード。初出は1977年、モハメド・アリの伝記映画『The Greatest』の主題歌としてジョージ・ベンソンが歌唱した。その後、ホイットニー・ヒューストンが1985年のデビュー作でカバーし、代表曲の一つとして世界的に知られるようになった。堂々たるメロディと大きなクライマックスを持つ、スタンダード的な存在感を備えている。
歌詞のテーマと意味
歌詞が伝える核は“自己尊重”と“内なる力”である。外部の評価に頼らず、自分を愛し信じることが最大の愛であるという価値観が、静かな導入から力強いサビへと進む構成で説得力を増す。子どもたちを未来の担い手として尊ぶ視点も特徴で、教育や成長の場で響く普遍的メッセージを備える。失敗や孤独を通じて自立を学ぶ姿勢が、聴き手に前向きな自己肯定感をもたらす点が長く支持される理由だ。
歴史的背景
1977年、映画用に書き下ろされた時点で既に力強いバラードとして評価を得たが、決定的な普及はホイットニー・ヒューストン版(1985/86)によって達成された。作詞のリンダ・クリードは闘病を続けながらペンを執り、逆境の中で自己の尊厳を守るという主題に切実さを与えたとされる。ホイットニー版は全米チャートで首位を獲得し、80年代ポップ史の象徴的ナンバーへと定着した。
有名な演奏・映画での使用
原曲は映画『The Greatest』の主題歌としてジョージ・ベンソンが初演。ホイットニー・ヒューストンはコンサートやテレビ出演でたびたび披露し、圧巻のブリッジから大サビへの展開はボーカル・ショーケースとして定番化した。以後、多くのアーティストがカバーし、卒業式やチャリティイベント、各種オーディション番組など、自己肯定とエンパワメントを掲げる場面で広く歌われている。
現代における評価と影響
自己愛を内なる良心と強さとして捉え直すメッセージは、メンタルヘルスや教育の文脈でも引用され続ける。ボーカル面では、穏やかな導入、ブリッジの高揚、終盤の転調という王道設計が歌唱力の試金石となり、レッスン曲やコンテストの定番に。サウンド面でもストリングスとピアノを中心としたアレンジが、90年代以降のパワー・バラードの範型として影響を与えた。
まとめ
The Greatest Love Of All は、映画発の楽曲が普遍的アンセムへと飛躍した稀有な例である。内なる自己を尊ぶという簡潔だが力強い理念、そしてドラマティックな楽曲構成が時代を超えて響き続ける理由だ。出自は異なっても、聴き手各々の現実に寄り添うバラードとして今なお生きている。