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Theme From Mahogany

  • 作曲: GOFFIN GERALD, MASSER MICHAEL
#洋楽ポップス
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Theme From Mahogany - 楽譜サンプル

Theme From Mahogany|歌詞の意味と歴史

基本情報

「Theme From Mahogany(副題: Do You Know Where You’re Going To)」は、マイケル・マッサー作曲、ジェリー・ゴフィン作詞のポップ・バラード。1975年公開の映画『Mahogany』の主題歌として発表され、ダイアナ・ロスの歌唱で広く知られます。シングルは米Billboard Hot 100で1976年に1位を獲得し、アカデミー賞歌曲賞にもノミネート。柔らかなメロディと繊細なボーカルが調和し、70年代ポップスの代表曲として位置づけられています。

歌詞のテーマと意味

歌は、人生の進むべき方向や選択の重さを問う内省的なテーマを持ちます。栄光や成功の渦中で見失いがちな「本当に望む場所」への希求、失われた時間への悔恨、愛と自己実現の間で揺れる心の矛盾が、端正な言葉で描かれます。直接的なメッセージ性は控えめながら、問いかけの反復が聴き手に自己対話を促し、映画の主人公が抱える野心と孤独の感情線とも深く呼応します。過剰なドラマ性に頼らず、普遍的な人生のテーマを丁寧にすくい上げている点が評価の核です。

歴史的背景

本作は、モータウンの看板シンガーとして成功を収めたダイアナ・ロスが映画俳優としても活躍の幅を広げた時期に誕生。音楽と映画の相互作用が強かった70年代半ばの文脈で、スター・システムの象徴的事例となりました。映画『Mahogany』の公開とともに曲は大きな注目を集め、シネマティックなバラードがポップ市場で幅広く受容される流れを後押ししました。アカデミー賞候補入りは、作品と楽曲の結びつきが産業全体で高く評価されたことを示します。

有名な演奏・映画での使用

映画『Mahogany』の主題歌として用いられ、オープニングや重要場面で物語の感情を支える役割を果たしました。ダイアナ・ロスのスタジオ版が決定的な解釈として定着し、ラジオ、ベスト盤、映画音楽の名曲特集でも定番化。多くのアーティストによりカバーされ、テレビやコンサートでしばしば引用・再演されてきました。オリジナルのシンプルな編成と歌唱の抑制が、さまざまな編曲へ柔軟に展開可能なスタンダード性を与えています。

現代における評価と影響

本曲は、映画主題歌がポップ・チャートで頂点を取る成功モデルとして語られ、シンガー主導のドラマ映画における音楽活用の好例とされます。配信時代においてもプレイリストでの露出が続き、世代を超えて聴かれる70年代バラードの定番に。人生の選択という普遍的テーマは、時代を問わず共感を呼び、自己省察的なポップ・ソングの参照点として創作面でも影響を与えています。

まとめ

「Theme From Mahogany」は、映画とポップスの理想的な接点から生まれた内省的バラードです。端正なメロディ、精緻な歌詞、ダイアナ・ロスの表現力が結晶化し、時代を超えて響く普遍性を獲得しました。映画文脈を離れても成立する楽曲性と、物語を支える主題歌としての機能性を併せ持つ稀有な一曲です。