The Doors
Light My Fire
- 作曲: DENSMORE JOHN PAUL,KRIEGER ROBERT A,MORRISON JIM,MANZAREK RAYMOND D

Light My Fire - 楽譜サンプル
Light My Fire|歌詞の意味と歴史
基本情報
Light My Fire は、DENSMORE JOHN PAUL、KRIEGER ROBERT A、MORRISON JIM、MANZAREK RAYMOND D による共作としてクレジットされたザ・ドアーズの代表曲。1967年、バンドのデビュー・アルバム収録曲として発表され、のちにシングル化。アルバム版は7分超の長尺で、レイ・マンザレクのオルガン(Vox Continental)とロビー・クリーガーのギターによる即興的なソロ・パートが大きな魅力。ラジオ向けには約3分のエディット版が用意され、こちらが広くヒットした。
歌詞のテーマと意味
タイトルが示す通り、「火」は欲望、衝動、生命力の比喩として機能する。歌詞は恋愛的な高揚と瞬間の燃焼を促すメッセージを中核に据え、官能と解放のイメージが交差する。比喩はストレートでありながら、反復とリズムによりトランス感覚を喚起。作詞の詳細な意図や個別フレーズの由来は情報不明だが、全体としては相手との一体化と今を生きる姿勢を強く訴える内容で、サイケデリックな音像と呼応している。バンド内ではクリーガーが中心的に書き、他メンバーが構成や言葉の調整に関与したと伝えられるが、公式クレジットは全員名義である。
歴史的背景
1967年はサイケデリック文化が沸点に達した“サマー・オブ・ラブ”の年。Light My Fire はその潮流を象徴する楽曲として、拡張されたソロ、催眠的グルーヴ、ドリアン風のモーダル感で時代精神を体現した。シングルは全米Billboard Hot 100で首位を獲得し、バンドを一躍メインストリームへ押し上げる決定打となる。テレビ番組での演奏をめぐって表現上の騒動が起きたことでも話題となり、彼らの反体制的イメージを決定づけた。
有名な演奏・映画での使用
ステージでは、オルガンとギターの拡張即興がハイライトとなり、夜ごとに展開が変わる“生きた楽曲”として支持を集めた。1968年にはホセ・フェリシアーノによるアコースティック/ラテン風味のカバーが全米チャート上位のヒットとなり、楽曲の普遍性と編曲の自由度を広く示した。ほかにも多数のアーティストがジャンルを越えて取り上げている。映画やドラマでの具体的な使用作品名は情報不明だが、映像文脈で頻繁に参照される定番曲である。
現代における評価と影響
Light My Fire はロック史の重要曲として各種名曲リストに選出され続け、サイケデリック・ロックの名刺代わりとされることが多い。Vox Continentalの印象的なリフ、ブルースとジャズ語法を溶け合わせた即興構築、シンプルかつ強靭なコード循環は、後続のロック/ジャム・バンド、オルガン主導のグループに大きな示唆を与えた。カバー可能性の高さとポップ・フックの強さを兼備し、半世紀を超えてもラジオやプレイリストでの存在感は衰えない。
まとめ
官能と解放を掲げる歌詞、拡張即興を核とする音作り、そして時代を射抜いた存在感。Light My Fire は、ザ・ドアーズの美学を凝縮しながら、ロックの可能性を押し広げた不朽の一曲である。