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Bread

If

  • 作曲: GATES DAVID ASHWORTH
#洋楽ポップス
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If - 楽譜サンプル

If |歌詞の意味と歴史

基本情報

「If」は、GATES DAVID ASHWORTH(デヴィッド・ゲイツ)が作曲・作詞を手がけたBreadの名バラード。初出は1971年発表のアルバム『Manna』に収録され、同年にシングルとしても広く知られるようになった。穏やかなアコースティック・ギターと簡素な編成を核に、ヴォーカルを前面に押し出したサウンドは、当時のソフトロック潮流を象徴する。レーベルや細かな録音クレジット、チャート詳細の一部は情報不明だが、ラジオやライヴを通じ長く親しまれてきた定番曲である。

歌詞のテーマと意味

タイトルの“If”が示すとおり、条件法を用いて「もし〜なら」という仮定を重ねながら、相手への変わらない愛情と献身を静かに表明する構成が特徴。日常の身近なイメージを比喩として積み上げ、言葉では言い尽くせない感情を丁寧に描写する。派手なドラマ性よりも、短いフレーズの反復と間(ま)で余韻を生む、控えめで親密なラブソングである点が、多くのリスナーの心に届く理由と言える。結婚式や記念日の選曲として定番化しやすいのも、誠実で普遍的なメッセージゆえだろう。

歴史的背景

1970年代初頭の米国では、エレクトラ系を含むウェストコーストのソングライターたちが、繊細なアレンジと明瞭なメロディを重視するソフトロックを牽引していた。「If」は、その流れのなかでBreadが示したミニマル志向の完成形のひとつ。ギター、ベース、控えめな鍵盤とヴォーカルが密接に絡み、制作美学としての“引き算”が徹底されている。アルバム『Manna』自体も、穏やかなバラードと軽快なポップのバランスが評価される作品として位置づけられる。

有名な演奏・映画での使用

最も知られるのはBreadによるオリジナル録音で、デヴィッド・ゲイツの繊細な歌唱が楽曲の核を成す。バンド期のライヴはもちろん、ゲイツのソロ公演でも長く愛奏されてきた。カバーは世界各国の歌手・器楽奏者により多数存在し、弾き語り編成からオーケストラ・アレンジまで幅広い解釈が生まれている。一方で、特定の映画・ドラマでの顕著な使用例については情報不明。とはいえ、映像作品の挿入歌候補として選ばれやすい静謐な質感を備えている。

現代における評価と影響

配信時代に入っても、シンプルなコード進行と覚えやすいメロディは色あせず、ギター弾き語りの入門〜中級曲として教材や動画で取り上げられる機会が多い。日本でもカラオケやブライダルの定番として浸透し、世代を超えて歌い継がれている。テクスチャを盛らずに心情を直接伝える設計は、後続のシンガーソングライターやポップ・バラードの作法に示唆を与え、短い曲尺でも強い説得力を持ちうることを証明した。

まとめ

「If」は、豪奢さではなく余白と比喩で想いを伝える、ソフトロックを代表するラブソング。1971年の発表以来、オリジナル録音と多彩なカバーを通じて静かな影響力を保ち続けている。事実関係の一部は情報不明ながら、楽曲が放つ普遍性—簡素な編曲、繊細な歌唱、練り上げられた言葉—は今も有効であり、初めて聴く人にも自然に届く温度を持ち続けている。