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Gunfight At The OK Corral OK牧場の決闘
- 作曲: TIOMKIN DIMITRI

Gunfight At The OK Corral OK牧場の決闘 - 楽譜サンプル
Gunfight At The OK Corral OK牧場の決闘|作品の特徴と歴史
基本情報
『Gunfight at the O.K. Corral(OK牧場の決闘)』は、1957年公開の同名西部劇映画のためにディミトリ・ティオムキンが作曲した映画音楽。主題歌はネッド・ワシントンが作詞、フランキー・レインが歌唱したことで知られる。監督はジョン・スタージェス、主演はバート・ランカスター(ワイアット・アープ)とカーク・ダグラス(ドク・ホリデイ)。サウンドトラックはオーケストラによるスコアと語り部的バラードという二層構造で、物語の導入と感情の高まりを担っている。初出のレーベルやチャート成績は情報不明。
音楽的特徴と表現
ティオムキンの筆致は、堂々たる金管群と小太鼓の推進力で開けた西部の空気感を描き、弦の広がりが英雄譚のスケールを支える。主題は覚えやすいモチーフを核に反復と変奏で展開し、緊張感を要する場面では低弦と打楽器を強調、決闘へ向かう高揚では金管がファンファーレ的に鳴り響く。主題歌はフランキー・レインの力強いヴォーカルが物語を要約する“語り”の機能を持ち、映像の外側から神話化された語り口を与える点が特徴。スコアと歌が相互に動機を共有し、キャラクターの関係性や運命性を音で補強している。
歴史的背景
作品が扱うOK牧場の決闘は、1881年にアリゾナ州トゥームストーンで起きた実在の銃撃事件。1950年代はハリウッド西部劇の黄金期で、ティオムキンは『真昼の決闘(High Noon)』に続き、バラードとオーケストラを組み合わせた物語駆動型の音楽語法を確立していた。本作でも、記憶に残る主題と明快なモチーフ運用により、歴史の出来事を神話へと昇華するハリウッドの語りの伝統を音楽面から支えている。
使用された映画・舞台(該当時)
本音楽は映画『OK牧場の決闘』(1957)本編で使用。メインタイトルやエンド部分で主題歌が流れ、要所要所でオーケストラ・スコアが場面の緊張と心理を導く。映画以外の同時代の舞台使用や別作品での流用については情報不明。
現代における評価と影響
本作は西部劇音楽の典型例としてしばしば言及され、勇壮で覚えやすい主題はジャンルを代表するメロディとして定着している。主題歌の“語り部”機能とスコアのドラマ運搬力を併せ持つ設計は、その後の作品にも影響を与え、コンピレーションや再録音で継続的に取り上げられてきた。映像と音楽が一体となって“神話的西部”を構築するモデルケースとして、今日でも研究・鑑賞の対象となっている。
まとめ
ディミトリ・ティオムキンによる『OK牧場の決闘』は、記憶に残る主題と物語を推進するスコア、そして語り口を持つ主題歌が高密度に結びついた映画音楽の好例である。歴史的事件のドラマ性を音で増幅し、作品世界を神話化する手腕は時代を超えて評価される。映画音楽、特に西部劇サウンドの核心を知るうえで、避けて通れない一作と言えるだろう。