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You Only Live Twice 007は二度死ぬ
- 作曲: BARRY JOHN,BRICUSSE LESLIE

You Only Live Twice 007は二度死ぬ - 楽譜サンプル
You Only Live Twice 007は二度死ぬ|歌詞の意味と歴史
基本情報
1967年公開の映画『007は二度死ぬ』の主題歌。作曲はジョン・バリー、作詞はレスリー・ブリッカス、歌唱はナンシー・シナトラ。タイトル曲としてオープニングに使用され、後年までボンド・テーマの代表格として親しまれている。豊麗なストリングスと印象的なメロディで、サウンドトラックの中核を成す存在。シングルとしてもリリースされ、映画音楽とポップスの橋渡しを果たした。
歌詞のテーマと意味
歌詞は「二度生きる」というフレーズを、愛によって新たに生まれ変わる比喩として描く。孤独から救い出され、運命的な出会いが人生をもう一度始めさせる——そんな再生と希望の物語だ。冷戦期のスパイ映画に温かい人間味を添える役割も担う。直接的な物語説明ではなく、詩的な抽象性で普遍性を獲得しているのが特徴で、映画を離れても自立したポップスとして成立する。
歴史的背景
英国発の人気シリーズ第5作として制作された本作は、日本を舞台にしたスケール感が特色。音楽面では、バリーが東洋的な音階やハープ、木管を配し、弦のレガートとともに異国情緒を醸成した。大胆な転調と余韻の長いフレーズ処理は、60年代のオーケストラル・ポップの典型であり、同時に映画の視覚的世界観を音で拡張する役割を果たした。ポップとシネマ・スコアの融合美が時代感を越えて光る。
有名な演奏・映画での使用
主題歌はタイトルバックで全面的に流れ、劇中でもモチーフが変奏される。ポピュラー分野では、1998年のロビー・ウィリアムズ『Millennium』が弦楽リフを引用した例が著名。映画音楽の象徴的フレーズとして単独で想起されることが多く、コンサートやカバーバージョンでもアレンジの余地が広い。以降も多数のカバーや編曲が生まれ、テレビや広告で断片が用いられてきた。
現代における評価と影響
ボンド主題歌の名作としてしばしば上位に挙げられ、キャラクターと物語世界を一曲で体現する書法の完成例として評価される。シネマティック・ポップの雛形として、ドリーミーなストリングス、半音階進行、ミステリアスな和声の使い方は現代のアレンジにも示唆を与え続けている。サンプリングやリミックスの素材としても存在感が強く、世代を超えてリスナーを獲得している。
まとめ
『You Only Live Twice』は、映画の世界観を凝縮しつつ普遍的な愛の物語を歌う主題歌。色彩豊かなオーケストレーションと忘れがたい旋律、簡潔で象徴的な歌詞が相乗し、ジョン・バリーとレスリー・ブリッカスの職人技が時代を超えて聴き継がれる理由となっている。