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Plein Soleil (太陽がいっぱい)

  • 作曲: ROTA NINO
#洋楽ポップス#映画音楽
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Plein Soleil (太陽がいっぱい) - 楽譜サンプル

Plein Soleil (太陽がいっぱい)|作品の特徴と歴史

基本情報

『Plein Soleil(太陽がいっぱい)』は、ニーノ・ロータが1960年公開の仏映画『太陽がいっぱい』(監督:ルネ・クレマン)のために作曲した映画音楽。インストゥルメンタル主体で、歌詞は存在せず作詞者は情報不明。邦題と原題を併記したテーマ曲名で言及されることが多く、作品としては映画サウンドトラックの一部として知られる。

音楽的特徴と表現

旋律重視の主題と反復動機を軸に、弦・木管・金管・打楽器を中心とするオーケストラで色彩感を描出。陽光きらめく地中海の風景を想起させる明朗さと、サスペンスの陰影を併せ持つ緊張の推進力が交錯し、登場人物の心理変化を音で照射する。テンポや和声のコントラストが場面転換を明確化し、記憶に残る主題性が映画全体を統一する。

歴史的背景

公開年の1960年は欧州映画が国際的に注目を集めた時期で、ロータも同年に複数の話題作で音楽を担当。イタリア映画界で培った抒情性と職人技を、フランス=イタリア合作の犯罪劇に適用した点が特色である。ロータは後年まで映画音楽の第一人者として評価され、本作もそのキャリアの重要な一角を占める。

使用された映画・舞台(該当時)

本楽曲は映画『太陽がいっぱい』(原題:Plein soleil、1960)で使用。監督はルネ・クレマン、主演はアラン・ドロン(トム・リプリー役)、共演にモーリス・ロネ、マリー・ラフォレ。パトリシア・ハイスミス原作『The Talented Mr. Ripley』の映画化で、主題音楽は劇中各所に配され、物語の不穏さと魅惑を印象づける。

現代における評価と影響

映画自体の再評価とともにスコアも長く親しまれ、ロータ作品を俯瞰するサウンドトラック集などで取り上げられる機会が多い。犯罪ドラマにおける心理描写の音作り、覚えやすい主題と場面対応の巧みさは、後続の欧州映画音楽にも通じる参照点となった。原盤や再発盤の詳細なディスコグラフィは情報不明だが、テーマの知名度は高い。

まとめ

『Plein Soleil(太陽がいっぱい)』は、映画の光と影を音で結ぶニーノ・ロータの職能が凝縮されたフィルムスコアである。歌詞を持たない純音楽的な主題が、物語の心理と風土性を的確に支え、公開から年月を経てもなお鮮烈な印象を放ち続けている。