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I Love How You Love Me (忘れたいのに)
- 作曲: MANN BARRY,KOLBER LARRY

I Love How You Love Me (忘れたいのに) - 楽譜サンプル
I Love How You Love Me (忘れたいのに)|歌詞の意味と歴史
基本情報
I Love How You Love Me(邦題:忘れたいのに)は、Barry MannとLarry Kolberのコンビによるポップ・バラード。初演は1961年、ザ・パリス・シスターズの録音で、プロデュースはフィル・スペクター。柔らかなコーラスと穏やかなテンポが特徴で、日本でもカヴァーやコンピレーションで広く親しまれてきた。原題と邦題に意味の差異はあるが、いずれも切実な恋心を描く楽曲として知られる。
歌詞のテーマと意味
歌詞は、相手から向けられる愛情の細部に心を動かされ、「あなたのこういうところが好きだ」と具体的に挙げていく構成。自分が相手を愛する理由ではなく、“相手が自分を愛してくれるあり方”を慈しむ視点が独特で、ロマンティックでありながらも慎ましやかな語り口が魅力。過剰な誓いよりも、日常の仕草や温度感に焦点を当て、親密さを静かに積み上げるタイプのラブソングである。
歴史的背景
1961年当時、ガール・グループの台頭とともに、繊細なストリングスと残響を活かす録音美学が脚光を浴びた。本作もその流れに位置づけられ、ザ・パリス・シスターズ版はビルボードでトップ10入り。後年のポップ・バラードに通じる“囁くようなヴォーカル”の先駆例としてしばしば言及される。作者のバリー・マンはブリル・ビルディングを代表するソングライターの一人で、洗練された旋律感が際立つ。
有名な演奏・映画での使用
代表的カヴァーとしては、ボビー・ヴィントンが1968年に発表し、こちらも全米チャートでトップ10入りを記録。以降も多くの歌手が取り上げているが、網羅的なリストは情報不明。映画やドラマでの明確な使用例についても情報不明だが、スロウ・テンポのロマンティックな場面に適合しやすい楽曲として知られ、ラジオやプレイリストで息長く愛聴されている。
現代における評価と影響
今日では、初期1960年代ポップの象徴的ラブソングとして評価が定着。派手さを抑えたアレンジ、短いフレーズの反復、声の親密さで“近さ”を生む手法は、ベッドルーム・ポップやインディ・ポップにも連なる美学として再評価される。英語圏だけでなく日本でも、深夜帯の選曲やオールディーズ特集での定番曲となり、新たな世代のリスナーにも届き続けている。
まとめ
シンプルな言葉と控えめなサウンドで、恋の核心に触れる普遍性を備えた一曲。ザ・パリス・シスターズのオリジナルとボビー・ヴィントン版を聴き比べれば、同じ旋律が異なる感情の色合いを帯びることも実感できるだろう。